自分は猫好きであり、見かけると近寄ってしまうのだけれど、まず逃げられる。
コツとかネットで調べたこともあるが、うまくいった試しがなく、猫が嫌うフェロモンとかパフュームとかアロマとか、きっと自分から出ているんだと諦めている。
埼玉の某所道行き。空き地の隅で寝転んでいる茶トラの猫を見かける。
いつもの癖で近寄っていくが逃げる気配がない。
よっぽど気持ちよく寝ているだろう、とちょっとの間眺めるが、ピクリとも動いていないので、試しにしゃがんで撫でて見たら、硬い。
よく見ると、肉球のところが真っ黒になっている。
そのまま立ち上がって、立ち去る。
猫が死んでいるところを見るのは、これで2度目である。
1度目は小学生の頃、うちで飼っていたチャコが、バスにひき逃げされた現場を見た時。
その時もなすすべなく、その場から逃げた。
最終的にチャコは自分の祖母が回収して、地元の墓場の無縁仏のそばに埋葬された。
茶トラの猫は透明な首輪をしている。誰かの飼い猫なんだろう。飼い主は探しているんだろうか。
申し訳ないが、自分にできることは何もない。
無事誰かに回収され、安置されるのを祈るばかりである。