新型コロナウィルスで自粛ムードの中、割引デーだという理由で映画を見にいく。
割引デーの日曜の午後、ということで、新コロをものともしないバカどもで劇場は満杯である。
冷静に考えてみると、映画館って何かに感染しにいくのに適した環境である。
ホラー映画の金字塔と称された「ヘレディタリー」の監督の最新作である。
自分はホラー映画のリテラシーが低いので、ヘレディタリーの面白さはほぼ分からなかったが、これはフレッシュな演出だ、というところが何箇所かあった。
ミッドサマーの「画面が明るいのに恐ろしい」という触れ込みで、何か新しいものが見られるんじゃないかという期待は自ずとあがる。
なので見にいくことにする。
結論から言うと、演出的に目新しいものは何もなかったし、物語に至っては割とある話で、ヘレディタリーの焼き直し感もあった。
要するに、期待したフレッシュさは何もない。
「明るいのに恐ろしい」もかなり無理があり、不穏な空気は感じられるのだが、恐ろしい、とはならない。
ただ、1箇所、とてつもなく心を鷲掴みにされたシーンがある。
あまりにもシュールすぎるため、どう捉えたらいいのかよく分からず、自分は笑ってしまったが、心底怖いと思う人もいるんだろうな、という感じであった。
これを見られたのは良かった。
ミッドサマーを見て思ったのだが、自分は心の底で「映画は作り物」という意識が強いのかもしれない。
中途半端なリアリティーよりは壮大な嘘が好きだし、リアルな映像を見せられても作り物なんだという意識がある。
なので、自分はホラー映画と相性が悪いんじゃないかという気がする。