インターステラーを観る

勘違いでインターステラーを観るつもりがインセプションを観てしまい、割と悔しい思いをする。

なので次回の映画鑑賞はなんとなくインターステラーにリベンジしようと考えていたが、上記エントリーを書いた後にアマプラ対象に返り咲いている。

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「こっちで見てもいいか」とも思ったが、現在上映中の作品を眺めて、インターステラー以上に観たい作品もなかったので観ることにする。


感想をいうと、ガッカリした。

ノーランの作品を観るたびに思うことだが、話が雑である。

話の展開がご都合主義であり、大した理由もなく主人公の都合の良い方向に話が進む。

特にエンディング付近は「なぜそんなことが起こるのか」という説明がなく、まるで納得がいかない。

「人類の存亡を賭けて深宇宙を探査する」という壮大なテーマのはずが、最初から最後まで身の回りの話で回収される。

登場する人物からは覚悟や逼迫感が全く感じられず、共感が全くできない。

映画の中で起こる諍いはチンケな理由で、「人類が滅亡するという重大局面でそこ気にする?」という事態の連続である。


テーマから言って「2001年宇宙の旅」と比べてしまうのだが、インターステラーは話の緻密さや壮大さが圧倒的に足りない。

エンディング付近でスターゲートに類するフィーチャーがあるのだが、その先にあったものにはかなりガッカリさせられる。

2001年のスターゲートの先にあったものの「驚き」「恐怖」「得体の知れなさ」とどうしても比べてしまうのだが、インターステラーの「アレ」はすごく矮小に感じてしまう。

「愛は地球を救う」は日テレだけでいい。


話は雑だが複雑な世界観を類まれな演出力で観せる、というのがノーランの魅力だと思うが、今回は話がストレートなだけにその魅力が発揮されていない。

むしろ、「緊急時は息を荒くさせればいい」的なステレオタイプな役者の演出が至る所で目について、「ドラマ部分の演出は逆に下手なんじゃないか」と思ってしまう。


インターステラーは今まで見たノーラン作品の中で、自分的には一番ダメであった。

それでもTENETは観ると思う。