劇場版の動員が半端ない、という話は嫌と言うほど耳に入ってくる。
さらに世の中は鬼滅の刃関連の何かで溢れていて、目にしない日はない。
原作やアニメは一瞬も見ていないが、それだけ受けるんだったら何かあるんだろうと思い、観に行くことにする。
公開されてしばらくたち、話題となったえげつない上映回数も全く減っていないというのに、自分が観た回はそれでも席が半分ぐらい埋まっている。
なぜかちょっと引いた。
どういう話かはネットからの断片的な知識でぼんやり知っていたが、ちゃんと触れたのは今回の劇場版が初めてである。
先日、やはりテレビシリーズを見ないで劇場版を観にいった「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」であるが、こちらの作品はテレビシリーズ未見の人に対して、「どういう話なのか」という簡単な説明がある。
鬼滅の刃はそういった初見の人への配慮は一切なく、清々しいぐらいアニメやら原作を体験しているのを前提とした作りになっている。
でも全く話がわからないわけではなく、それなりに楽しめる。
ジャンプ、および少年漫画の王道である能力バトルの仕組みとか、友情・努力・勝利のフォーマットが自分に染み付いているせいだと思う。
自分の世代的にはドラゴンボール直撃だったのだが、その頃から何も変わらない物語が展開されている。
逆にいうと、この劇場版だけ観ても「鬼滅の刃ならではの特別な面白さ」はよくわからない。
なので正直に言えば何度も見てきたような話なので、テレビシリーズを見てみようとか、漫画を読んでみよう、という気にはなれない。
観ている最中も割と客観的になっていて、知ってる人はここで泣くんだろうな、とか、ここでアツくなるんだろうな、というのはわかる。
でも入り込めない。
夢のあり方や、術から抜け出す方法を逆手に撮ったトラップなど、仕組みの面白さは割とあったが、ここまでウケている理由はあまりわからない。