ワンダーウーマン 1984を観る

映画『ワンダーウーマン 1984』オフィシャルサイト | 大ヒット上映中!

新年一発目、景気づけにハリウッド大作であるワンダーウーマンを観に行く。


DCEUはどの作品もそうで、雰囲気は良いのだが、物語のツメが全体的に甘い。

フリが足りなかったり、説明が足りなかったり、必ずストーリー上で引っ掛かる部分がある。

今回のワンダーウーマンも細かいところでソツは感じるが、全体的に良い話だったと思う。

テーマは「欲」と「自己実現」で、ヴィランとして出てくる「マックス・ロード」や「チーター」の設定がそこにバッチリハマっている。

また1984年が舞台というのが実に納得感があり、そこを選択した理由が単なるノスタルジーでもモードでもなく、ちゃんとした必然性が感じられて良い。


特にマックス・ロードの人物造形が素晴らしい。

彼は作中、とある特殊能力を身につけるのだが、その能力に飲み込まれて悪に転じるとかではなく、初めから「普通の人間」で最後まで「普通の人間」として考え、行動する。

なんなら悪ですらない。

こういった描かれ方をされたヴィランは見たことがない気がする。


またマックス・ロードを演じるペドロ・パスカルがかなり良い。

マンダロリアンで良さは知っていたはずであるが、寡黙なディン・ジャリンと真逆のこともやれんだな、と感心する。


トレバーの再登場もどうするんだと思ったが、かなり納得のいく展開である。

ただトレバーの行動に関しては少し疑問が多く、理解しすぎていたり理解が足りなかったりの振れ幅が大きすぎる。

こういうところがDCEU特有のツメの甘さの部分だと思う。


アクションシーン(特にチーターとの対決)はもっと描いて欲しかった。

またCGのクオリティーはあまり高くない気がする。

しかし映像の質感はかなりよく、ビデオ風のカラーグレーディングは新鮮で良い。


元旦のせいなのか、コロナの感染者数のせいなのか、はっきりいうと客席はガラガラであった。

でも観る価値はある映画だと思うので、もっとみんな観てほしい。