ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス|映画|マーベル公式
観た理由は言わずもがな、MCU&マーベルのレジェンド、サム・ライミの作品だからである。
GW中の公開でスケジュールに余裕もあったことから、少し遠出をしてIMAX 3Dでの鑑賞を画策し、結果割とあっさり良い席を取れる。
自分は予約開始の21:00ピッタリに席を取りに行ったのだが、サイトが落ちることもなく予約を完了する。
その後、席の状況を確認してみると、およそ10分ほどで席の3分の1ほど埋まっている。
人気の程が窺える。
観終わった後の感想は、「思っていたのとはだいぶ違ったが、すげぇ面白い」である。
観る前はマルチバース・オブ・マッドネスのサブタイトル、およびノー・ウェイ・ホームからのつながりで、いろんなMCU作品からいろんなキャラが入り乱れて話が展開するのかと思っていた。
ロキとかヴィジョンとか、予告編で仄めかされたプロフェッサーX以外のXメンやら、なんならなんらかのアイアンマンまで期待していた。
だが、そういった要素はイルミナティーだけであった。
ネタバレ解説 イルミナティのメンバーは? 『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』 | VG+ (バゴプラ)
その意味では期待はずれではあり、しかもプロフェッサーXとキャプテン・カーター以外のメンバーにあまりピンときておらず、さらにはその顛末に肩透かしを食らった感はある。(その後ネタバレを読んで、キャプテン・マーベルにも感動する)
ただ、ヘイリー・アトウェルがキャプテン・カーターを演じていることにはかなりの感動を禁じ得ない。
イルミナティーは完全に当て馬になっており、そこは少し不満で、ワンダとのバトルはもうちょっと時間を割いて善戦させてもよかったのではないかと思う。
逆に言えば、きちんとドクター・ストレンジの物語が描かれている。
もう1人の主役であるところのワンダ / スカーレット・ウィッチもきちんと描かれていて好感が持てる。
特にクライマックスの部分、ワンダが求めていた息子たちとの邂逅が悲劇的なところに着地する部分の納得感がすごい。
だからこそワンダの顛末は悲劇的で、これまでの経緯も含めてワンダの人生って何一つ報われていない、というのがちょっと悲しい。
このまま終わらずに、この先のMCUのどこかで救われてほしいと思う。
自分が3Dで観たせいもあるかもしれないが、映像・演出がとにかく良い。
やっぱサム・ライミは映画うまいな、という感じである。
奥行きを生かしたアクション、ホラー表現など、映像に迷うことなく、適切な演出を堪能できる。
物語の進行も弛むことなく、2時間程度に収まっているとは思えないほど満足感がある。
ホラー演出に関しては、もう少し強度があってもよかった気がするが、ディズニーだとこれぐらいが限界なのかもしれない。
ただ気になったのは、いよいよMCUはDisney+の加入が前提となる映画を作り出してきた、というところである。
MCU未見の人はともかく、映画だけ追っている人に対してもハードルをつくってきている。
スカーレット・ウィッチや双子の息子、ダークホールドやヘックスなど、そこら辺はこの作品のワンダの行動原理なので、そこに対する説明がないというのはずいぶん思い切ったな、という感じである。
なんというか潮目が変わった感がある。
またポストクレジットシーンも、最近は「ヴァル」「エロス」など新キャラの紹介の場になっていて、今回もそんな感じであった。
なんというか世界観を広げすぎな感じがして、収拾できるのか心配になる。
繰り返しになるが、思っていた作品とは違っていたが、非常に満足である。