床屋にて

急に身だしなみを整える必要があり、まだそんなに伸びていないのだが床屋に行くことにする。


以前、馴染みの床屋と喧嘩別れして以来、適当に安い床屋に行ってバッサリ切ってもらっており、今回も行ったことのない床屋に入る。

店内は3席あるのだが全て埋まっており、ちらと様子を伺ってみると3人ともカットの段階で、しばらく待つ雰囲気である。

幸い待ちは自分1人なのが救いである。


待合の席に座ると、目の前には漫画の棚がある。

そういえば床屋で待つのは久しぶりのことだし、置いていないところも多いので忘れていたが、漫画と床屋は切っても切り離せないものである。

自分が子供の頃は漫画を読みたくて床屋に行きたかったぐらいだったことを思い出す。

急にノスタルジーが湧き上がり、特に漫画を読みたいような気分ではなかったが、読むことにする。


しかしながら、ラインナップは相当歯抜けになっており、コナンやらこち亀とかが並んでいたが、全く揃っていない。

こち亀は20巻台があったかと思えば183巻があったりし、コナンに至っては5冊ぐらいしかない。

ただこち亀は1話で読み切れるし、コナンも短い話だったりするので、揃ってないのはそこまでクリティカルではない。

問題は鬼滅の刃が10冊ほどしかないことである。

1〜3巻は揃っていたが、次が8巻。

そこからは奇数の巻を抜いているんではないか、というぐらいまばらで、最後が22巻である。

1巻から読んでいく時間はもちろんなさそうなんで、思い切って22巻を読んでみる。

ちなみに自分は鬼滅の刃に関しては劇場版を観たことがあるだけで、それ以外には触れたことがない。

5分ほどかけて最後まで流し読んでみるが、話はよくわからなかったし、完結もしない。

読み終わった後に気になって検索してみたが、最終巻は23巻とのことである。

「一体何の時間だったんだろう・・・」という自分の選択に対する後悔を振り切ることができない。


まあ、蒸しタオルで機嫌は治る。