DCファンである自分は一も二もなく観に行くことにする。
ただ驚いたことに、近所の映画館では上映しておらず、少し遠出してみることになる。
まさかシネコンで上映がオミットされるほど期待されていない作品だとは思っていなかった。
前評判では「批評家の評判は良くないが、観客の評価は高い」というようなことを聞いていて、「そんな割れるものなのか?」と思っていたのだが、観てみてその理由がわかる。
ストーリー的にはガバガバなところがあるのだが、「ドウェイン様強ぇ〜」で割と楽しめる感じに仕上がっている。
どっちを強く感じるかで評価が変わる作品だと思う。
ストーリー的には破綻こそしてないものの、物語を進めるための恣意的な展開が多い。
ブラックアダムに対するJSAの立場が実際のアメリカに準えていたり、ブラックアダムのオリジンでツイストが効いていたりと、唸る部分もある。
ただ、「ブラックアダムを暴れさせるためなんだろうな」という展開が多く、話の筋としては説明が足りなかったり、はっきり無理があるだろうという部分が散見される。
特に自分はドクター・フェイトの顛末には少しモヤモヤする。
彼の行動は物語的に最もエモーショナルな部分になるはずであるが、その行動に至るまでの心境に対する説明が足りない。
そこをもっと丁寧に書いていれば良かったと思う。
しかし、「ドウェイン様強ぇ〜」に関してはかなり堪能できる。
対比としてあえて出すが、ここまでド派手なアクションはMCUでは絶対に見られない。
MCUは結局のところ人間(一部神)がアクションの基準であるが、DCEUは完全に超人のアクションなので現実ではありえないこと次々と起こる。
スローモーションも腹一杯楽しめるし、ほぼ物理に反する超絶アクションだらけである。
あまりにも馬鹿馬鹿しくて笑ってしまうようなところもある。
そこを受け付ける人と受け付けない人がいるのだと思うが、自分は受け付ける側なので、問題なく楽しめる。
また、この作品は映像がとてつもなく良い。
映像の色合いもそうだし、出てくるガジェットがとにかくバタ臭くて非常に琴線に触れる。
ホークマンの飛行機も、スピーダーバイク的な乗り物も、ゴリゴリのモダンフューチャーなデザインが素晴らしい。
ケレン味しかない映像を堪能できて、非常に良い。
映画としての出来に関してはさておいて、自分は楽しめたので良かった。