自分は毎週仮面ライダーを嗜んでおり、さらにはシン・ゴジラ、シン・ウルトラマンと庵野にハズレなしなので、観にいくことにする。
とにかく開始2分ほどで、もう心を持っていかれる。
昭和の仮面ライダーは今と比べてかなりハードコアではあるが、その先を冒頭からみせられ、「ああ確かに実際こうだよな」という納得感を得ることができる。
この場面だけでもう「シン」の部分はやり切ったんじゃないかという気はする。
その後もツボを抑えた展開が続き、結果非常に満足して帰路につくことになる。
アクションも非常に良い。
庵野的なケレン味溢れるアングル、必殺技であることが殊更納得できるライダーキックの演出、「ライダー」を体現するバイクシーン。
特にバイクシーンは割と多くて、しかも全部カッコよく、「ライダーならこうで無くっちゃ」という感じである。
印象的だったのはハチオーグ戦で、いわゆる高速戦であるが、格ゲーのヒットストップのように交わるところだけを連続で見せるという演出はなんか初めて観た気がする。
終盤の戦いは画面が暗すぎてよくわからない感じもあったが、アクションに関しては十分に満足できる。
予告を見た際に、「髪出てるってどうなの?」と思っていたのだが、仮面のメカニズム的に髪が出ていて然るべき、ということはわかる。
仮面がいわゆる変身のためのキーアイテムで、どこかから発生するものではない。
そして、物語的にこの仮面は重要な機能を持っていることもわかる。
でも個人的には、仮面ライダーの悲劇性を象徴するという意味で、怪物的な容姿を隠すためだけの仮面であって欲しかった。
仮面で戦う、ということに関しては、この作品においては単なるギアであり、仮面の意味という部分では若干弱気がする。
でも仮面の意味はちゃんと考えられていたし、そこは単なる見解の相違だとは思う。
庵野には今回も満足させられたので、次は「シン・ゴレンジャー」をお願いします。