自分は犬があまり好きではない。
子供の頃、自分の身近には威嚇する犬しかおらず、いろんな飼い犬に吠えられ続け、それで犬に対する恐怖心が刷り込まれた感じである。
今でも道を歩いている時に庭で放し飼いされている犬から突如吠えられてビクッとする、ということはあるが、今でこそ「そういう生き物なんだ」と飲み込むことはできる。
でもまあ繰り返しになるが犬があまり好きではない。
最近は小学生が毎朝ラジオ体操に参加していて、出勤時に通りかかる公園は人で溢れている。
おそらくそれを狙っているのだろうが、大きくて真っ白な犬を連れたおっさんが毎朝その公園に来ている。
その大きな犬は子供たちに撫でられており、それを見ているおっさんは得意げな顔をしている。
そのおっさんは夏休み前は見かけていなかったので、犬を可愛がらせたくて来ているのだろう。
今朝、そのおっさんはいつも通り来ていたのだが、周りに誰もいない。
飽きられたのかな、と思ったところで、いつもおとなしいその犬が、自分を見て一吠えする。
虚をつかれて動揺し、しばらく立ち止まってしまう。
おっさんは悪気なく、「ごめんね」的な笑顔をしていたが、それが苛立ちをブーストさせる。
とはいえ、何かをするわけでもなく通り過ぎたわけであるが、「なんで俺だと吠えるの?」ということはしばらく考えてしまう。
そこはかとなくビビりが伝わっているのかもしれないし、多少蔑んでいた心を読んだのかもしれない。
いずれにせよ言いたいのは、「犬好きは勘違いしている節があるけど、誰もがみんな犬が好きなわけではないぞ」ということは繰り返し言いたい。
春麗ばりの「ゴメンネ!」で済まされないことだってある。