久留里に行く

3連休恒例の遠足であるが、以前より気になっていた奥房総にいよいよ行ってみることにする。


奥房総に行くとだけ決めて、何も調べずに6時半ぐらいに駅に着く。

奥房総には木更津から久留里線に乗って行くことになるのだが、木更津で乗り換えるということを駅に着いて調べて知ったぐらい何も調べなかった。

幸い1本遅らせれば総武快速の君津行きに乗り込める状態で、それに乗る。

総武快速は最近割と頻繁に乗っているので、さすがにワクワクは無くなっているが、のんびり車窓を眺めながら木更津に向かう。


木更津に到着すると、向かい側のホームに2分後に発車する久留里線のワンマン電車が停車していて、何も考えずに乗り込んでしまう。

結果的にこれはなかなかの失敗であった。

木更津を出る時には5組ぐらいの乗客がいたのだが、途中の駅でどんどん降りていき、路線の中盤ぐらいで自分ともう1人しかいないという状況になる。

ちなみにこの写真の左端にもう1人がいる。

「ああ、マジで赤字路線なんだな」とは思ってしまう。

ただ、木更津を出てすぐにかなりの田園風景になって、無人の駅も多く、途中で降りた人たちはなんの目的でこの駅で降車したのか、というのが気になってしまう。

マップを見ても目ぼしい観光スポットとかがなさそうなんで、木更津を起点に生きている人たちなのかもしれない。

また電車の走行中、線路脇で猛狂った植物がバンバン車体に当たる。

線路脇を手入れする予算がないのかもしれない。


そして「そんなことあるんだ」と思ったのだが、久留里線Suica未対応である。

久留里線は、なぜ、Suicaが使えないのでしょうか?伯備線の、木野山〜... - Yahoo!知恵袋

理由を調べるとまあ納得したというか、採算が見込めないから、という身も蓋もない理由で未対応とのことである。

ただ、現実問題として木更津から改札を抜けずに電車が乗り継げるとなったら、自分みたいに迷い込んでしまう人はいると思うのだが、利便性より経済性なんだろう。

いや、どうすんのこれ、とハカハカしながら久留里駅に到着し、駅員に聞いたところ、手慣れた様子で「未精算」のチケットを渡される。

Suicaを使えるところで精算して欲しい、とのことである。

・・・めんどくせぇ・・・。


本当は久留里駅の終点である「上総亀山」に行きたかったのだが、いかんせん向かう電車がほとんどなく、何も考えないで行くことは叶わないようである。

久留里を見物することにする。

地図を具に見てもらうとわかると思うが、観光目的で行く土地ではない。

程なく久留里城があり、そこがおそらく唯一の観光スポットであるが、正直あまりにツヤのない街を歩いている段階でちょっと久留里見物は諦めてしまい、1時間後の電車で帰る覚悟が決まっていたため、行くことはない。

また久留里は名水で有名らしく、街の至る所に水を組める場所があったのだが、試しに飲んでみようと湧き水に手を差し伸べたところ、手に溜めた水に虫の死骸が入っていたので、飲むことは諦める。


久留里には1軒だけ吉田屋というスーパーがあり、いつも通り入る。

吉田屋というスーパーは全く聞いたことがなく、ここだけの店かと思ったが、調べてみるともう1店舗あるようで、一応チェーンである。

店舗紹介 | スーパーマーケット吉田屋

広さ的には全くもって普通のスーパーであり、扱われている品物もごく一般的なスーパーの品揃えである。

ただ、山間のスーパーとは思えないぐらい魚介類は充実していて、そこはかなり意外であった。

勝浦港直送! | スーパーマーケット吉田屋

後から調べてわかったことであるが、勝浦から直送しているらしい。

また、街に店舗が少なく、スーパーがここ1軒だけ、ということで、食品よりも雑貨が充実しているように思える。

種やキャンプ用品なども扱われていて、かなりの奥房総感を得られる。

あと、レジで精算する客が概ね5000円以上の買い物をしていて、それも印象的であった。

うちの親もそうだが、頻繁に買い物に行けるわけではないので、ここぞとばかり買いだめする。

過疎化が進んでいるのかもしれない。


街を歩いている最中に、ツーリングの集団と頻繁にすれ違う。

確かにバイクに乗るんだったら、奥房総はかなり気持ち良いかもしれない。

だとしたら久留里はかなり中途半端な街で、そこまで自然を満喫できるわけでもないし、そこまで街の利便性もない。

街としてはそこまで面白味はなかったわけであるが、こういう土地が東京から2時間かからないところにある、というのは非常に面白い。


久留里には1時間ほど滞在して、木更津に向かう。