映画を見ようと思った段階で、この映画とミッション:インポッシブルの最新作を天秤にかけたのだが、振れたのは「懺悔室」の方である。
やっぱり上映時間が長いというだけで引くものがあり、それに予約の段階でそこそこ席が埋まっていた。
懺悔室の方がゆったり見れそう、ということで予約する。
しかし、上映時間には割と席が埋まっており、結構人気があるだなと再確認する。
この映画は、岸辺露伴は動かないの実質第1話である、懺悔室を映像化したものである。
原作の方では岸辺露伴が聞き役に徹しており、なんなら作中にほとんど登場しない。
ヴェネツィアが舞台というのもあると思うが、映像化がここまであとになった理由は、その構成によるところも多いだろう。
個人的にそこらへんをどうするのか、という興味があったわけだが、全くの杞憂であった。
シリーズを通じてあのでこの手で実写向けのアレンジを加えてきたスタッフなので、ツボを押さえた話に仕上がっている。
「ルーブルに行く」の時は原作の話をより詳細にする方向でアレンジを加えていたのだが、今作に関しては原作後のストーリーを付け足すことによって劇場版に仕上げている。
その構成のおかげで、原作の話が全くアレンジなしで、そのまま映像化されている。
足したり引いたりされた部分が全くない。
セリフまで一緒なんじゃね? と思って、家に帰ってから原作を確認してみたが、おそらく一緒である。
原作を確認して改めて思ったが、このスタッフのジョジョ世界の雰囲気の再現力はハンパないなという感じである。
ただ、逆にそういう構成になったために、付け足された部分は「普通のドラマになっている」というのがわかってしまう。
なんというか、奇妙さがない。
普通に人間ドラマとか、サスペンスな感じである。
今作を見て思い返すと、ルーブルの時も、ストレッチされた部分は普通のドラマだったという気がする。
それぐらい、荒木飛呂彦がアウトプットするものは唯一無二のものなんだな、と思う。
もう役者に関してはいうことはない。
高橋一生や飯豊まりえは当然のことながら、脇を固める登場人物もかなり良い。
濃い役者の濃い演技がこれでもかと見られるし、これぐらいやって初めて荒木飛呂彦に相対せるんだなという納得感もある。
以外にも玉木ティナが非常に良くて、他の映画でこの演技を見たら「あれ?」という感じになると思うのだが、岸辺露伴だとハマる。
なんなら婚約者のイタリア人が一番違和感ある。
ショウタイムセブンを観たせいで少し不安になっていたのだが、岸辺露伴で安心する。