歳をとるということ

せっかくの祝日ではあるが、雨が降っていたので、大半を家で過ごす。

しかしながら午後に予定があり、出かけることになる。

その予定は滞りなく終わり、ついで食料を調達するためにスーパーに寄る。


雨が降っていたため、スーパーには傘袋をつける装置が設置されている。

スーパーからの帰りしな、装着していた傘袋を外してゴミ箱に捨てようとすると、装置のところでババアがオタオタしている。

傘袋をうまく装着できないらしい。

足元には装着に失敗した夥しい量の傘袋が散乱している。

いくら何でもそれはないだろう、という量だったので、見るにみかねてババアの様子を伺うと、傘を絞らずに広げたまんまで装着しようとしている。

「いや、一旦絞んないと上手くいかないですよ」と思わず声をかけてしまう。

それでようやく傘を絞って止金を締める。

それでリトライするが、またしても失敗する。

装置の中の袋が広がっている方向とは逆に差し込んでいるので、傘の先が袋の入口に引っかかり、そのまま下に落ちる。

「壊れてるのかな・・・」とババアが呟く。

埒が開かないので、下に落ちた袋を拾い上げて、ババアの傘に差し込む。

「自分でやりますから」とか言っているが、問答無用で傘袋を装着する。

「ありがとね」とか言いつつ、いそいそと店内に入っていく。

散乱した傘袋は自分が片付ける。


「壊れてるのかな・・・」という発言を聞いた時、「ああ、自分のせいだとつゆほども考えないんだ」などというようなことを思う。

無駄にした傘袋のことも何とも思ってないんだろう。

レジ袋みたいに有料化すればいいんじゃないかとすら思う。

歳をとるだけで全てが免罪されるわけではないので、少し世の中にアジャストして欲しいとは思う。