風が吹く日

朝から囂々という音を轟かせながら、強風が吹いている。

仕事が終わり、ウォーキングの時間になっても、強い風は吹き続けている。

しかしどんな強い風でも、俺様のウォーキングを止めることはできない。

時に風に苛まれ、時に追い風を受けながら、ウォーキングは続く。


自分のウォーキングは特にルートを決めておらず、とにかく1時間程度歩く、というものである。

そんなわけで、なんとなく歩いていたところ、今日は踏切に差し掛かる。

あいにく遮断機は降りている。

やがて特急電車がゆっくりと走っていき、こちらはゲートが開く前のウマ娘の気持ちで、遮断機が上がるのを待つ。

・・・全く上がらない。

やがて2本目の電車がやってくる。

今度の電車は踏切のところで停車する。

「マジか・・・」と思わず呟いてしまう。

そのあたりで「強風でダイヤが乱れているんだろう」と薄々勘づく。

さて、回り道をするか、もう少し待つかで少し悩んでいるところで、電車が動き出す。

電車が通り過ぎた後、少し待ったが一向に上がる気配がない。

もうダメだと思い、遠回りをすることに決める。


適当に右方向に進んだのだが、2分ほど進んで、最終的に行き止まりになっている。

かなりイラっとする。

これ戻って踏切上がってたら悲惨だな、とか思いながら今来た道を戻ると、先程まで左にいたベリーショートのおばさんがまだいる。

遮断機が上がっていないことに申し訳ないが少し安堵する。

今度は左に進むと、程なく線路の下を抜けられる歩道があり、無事線路を渡り切る。

その段階で踏切の方を見てみると、まだ信号が点滅している。

「風め・・・」と心の中で思う。