アイスバーンを砕く話

雪が降ったのは4日ほど前だが、今でも路面のところどころがアイスバーンになっている。

そんな中、散歩の道すがら、いまさらアイスバーンを砕いているおじいさんを見かける。

そのおじいさんは白い半袖の肌着で手に木製のバットを持っており、その異様な光景に思わずスローダウンしてしまう。

ゴツ、ゴツ、ゴツ、と不穏な音を立てながら雪は砕かれるが、周りにスコップとかちりとりがない。

砕いた後の氷はどうするんだろう。

そして自分の気のせいだと良いのだが、バットに何らかのサインが書いてあるように見える。

ジロジロ見るのも何なのでとりあえず通り過ぎたが、声をかけなかったことを少し後悔している。