最初に岡村隆史の風俗嬢に関しての失言の件を聞いた際には、今の時代ではアウトな感性だし、新型コロナを絡めてしまったので、まあ炎上やむなしだろうな、と思った。
その後次第に騒ぎが広がっていったが、正直言って「意外に大ごとになってるな」と感じただけである。
失言に関しては批判するつもりも擁護するつもりもなく、非常にフラットな感情で受け止めた。
というのも、岡村隆史単独になってからは聞かなくなっていたが、かつて自分はナイナイのANNのリスナーであり、岡村隆史だったらそれぐらい言ってもおかしくない、というのがあったからである。
それから1週間経ち、生放送で謝罪する、とのことだったが、どうせネットニュースになるだろうし、聞かずに寝る。
矢部浩之、岡村隆史への公開説教からみえた“コンビ愛”が話題 「距離をとっていた」と心境吐露 - ねとらぼ
果たしてネットニュースでは岡村謝罪の釣瓶打ちであったが、矢部浩之が出演した、というのは完全に予想外で、いてもたってもいられず、ラジコのタイムフリーで聞くことにする。
ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン | ニッポン放送 | 2020/04/30/木 25:00-27:00
全編に渡って矢部浩之の凄みというものを突きつけられた放送であった。
自分の中では、芸能史に残る完璧な火消しだと思った。
あらゆる方面に配慮し、言葉を選びながら、現在のナインティナインの状況、今までの経緯、そこをベースに失言した理由・原因を岡村本人と世間に大して事細かに説明し、今後の解決策の提案を行い、それを1時間近く全くダレることなく語り、さらにコマーシャルやスポンサーコーナーまで無理なく挿入してのける。
公開説教と銘打ったが、他人の説教を傍観している時の嫌な感じが全くなく、これは一体なんだろう、と考えた末に、今から物凄いことを言ってしまうが、やはり「愛があるから」なんだろうな、と思った。
特に感心したのはスポンサーコーナーの件で「緊張の緩和」の教科書のような、至福の時間であった。
世間的にどう感じたかはわからないが、この件のおかげで岡村隆史でまだ笑える、と思った。