昨日お伝えしたように本当はエヴァを観たかったのだが、Qの視聴が間に合わなかったので次回に先送りする。
次点として上映スケジュール的に良い感じだった、21ブリッジを観ることにする。
チャドウィック・ボーズマンの遺作であるとか、ルッソ兄弟のプロデュースであるとか、この作品に関わっている人たちにも興味はあるのだが、この映画を選んだ1番の理由は「観やすい時間に上映されていたから」である。
基本的にはニューヨークで起きた強盗事件の犯人を追う刑事の話である。
そして犯人を追い詰めるためにマンハッタン島に掛かる21の橋を封鎖する、というのがタイトルの由来であるが、はっきりいうと「島を封鎖する」というアイディアが物語の中であまり生かされていない。
島の封鎖という社会や生活に対する一大事がこともなく決定され、21もの橋を封鎖する実務的な大変さもさして描かれず、犯人は島の封鎖にさして影響を受けずに行動する。
物語は全体的にそういったピント外れの連続である。
チャドウィック・ボーズマン演じるアンドレ刑事の人格がどうも一貫しているようには感じられず、イニシエーションもなく終わる。
強盗事件の顛末もツイストを効かせた風ではあるが、事件発端の疑問からなんとなく真相が察せられるので、エンディングも「やっぱり」という感じである。
島の封鎖やら、アンドレの正義感やら、強盗事件の展開など、個々では面白くなりそうな要素になっているのだが、物語としてはうまく噛み合っておらず、生煮えで終わる。
自分は強盗事件の流れが結構面白かったので、強盗を主人公にした話の方が良かったのではないかと思う。
雰囲気や作品の出来から言えば、テレ東の午後が似合う感じである。
もっとはっきり言えば、あまり面白くはない。