上総中野を諦める。
バスの乗客は自分のみで、他に2人ほど電車から降車しているはずであるが、その人たちは乗っていない。
上総中野に何か目的があるのか、住んでいるのかはわからないが、何をするのかは気になってしまう。
上総中野駅から大多喜駅の間は5駅ほどあるのだが、そのどこにも寄らずに大多喜駅直通で運行する。
おそらくあくまで代行バスであり、普段は電車が走っていない時間なので、途中の駅に寄る必要がないということなのかもしれない。
だとすると、小湊鉄道といすみ鉄道の接続はどうなっているのか気になるところではある。
程なくして大多喜駅に到着する。
バスを降りてすぐ、駅の前になかなか立派な観光案内所があるのが目に入り、上総中野を出た選択は間違っていなかったと確信する。
観光案内所に入ると、特産品を販売している売店を見かける。
地元のお菓子や加工品など、大多喜近辺の特産品を取り扱っているのだが、猪や鹿などのジビエが冷凍で売っているのはなかなかだな、と思った。
そんな中、謂れのよくわからない商品が販売されている。
言われてみれば奥房総とムーミン谷は近しい気がするし、仕事を選ばないことに定評のあるキティーちゃんだったらここにいてもおかしくないのかもしれない。
房総恒例の銚子電鉄のぬれ煎がワンチャンあるんじゃないかと思ったが流石になかった。
朝食をまだとっていないので、何か食べるものがないかと探してみたが、お菓子関係しかない。
流石に猪の冷凍肉を買うわけにもいかないので、単品で買えるお菓子を購入する。
有り体に言ってしまえば、地元のお菓子屋の瓦煎餅と栗饅頭である。
味に関しても、有り体に言ってしまえば、地元のお菓子屋の瓦煎餅と栗饅頭である。
観光案内所の一角に「おたっきー」なるゆるキャラが展示されている。
名の響きに懐かしさを感じるし、「大多喜 → おたっきー」という安直さにゆるさは感じるが、調べてみると案外ゆるくない。
10周年記念ポーズとかみると、しっかり可愛い。
この「おたっきー」のモチーフとなっているのは戦国武将の本多忠勝であるが、現在大多喜町では上総大多喜藩初代藩主・本多忠勝の大河ドラマ化を目指しているそうである。
道ゆけば、その本気さが伝わってくる。
観光案内所の入口のところに署名の台紙が置かれており、自分が通りかかった際にはどこぞの夫婦が記入していた。
自分は歴史に疎い方だし、人一倍興味がない質であるが、本多忠勝の名前ぐらいは知っている。
逆に「大河になっていないのか」とすら思った。
Wikipediaで見る限りは実際なっていないようである。
個人的には、本多忠勝が大河になるかならないか自体はどうとも思っていない。
ただ、大河はあれだけいろんなことをやってても、まだまだ題材があるんだな、ということには感心する。