昼にイタリアンのレストランに入ることにする。
チェーン店っぽい佇まいであるが、聞いたことのない店名で、後で検索してみると、名古屋の方で幅広く展開しているが、関東にも数店舗ある、という感じのようだ。
入口入ってすぐのところに張り紙が貼ってあり、そこには「本日人員不足のため、提供が遅くなる場合があります」という旨、告知されている。
いきなり出鼻を挫かれるが、正直でいようとする姿勢に感銘を受けたのと、もうイタリアン食う気マンマンで今更変える気がない、という理由でそのまま入ることにする。
入口のところで少し待っていたが、店員はやってこない。
「すいません」と声をかけても、レスポンスがない。
早速かよ・・・、と思いながら、店内の様子を伺う。
3組ほど客がいるみたいであるが、店舗の広さからいうとガラガラと言っていい。
しかし、皿とかを片付けていないテーブルがあちこちに見受けられる。
「すいません」と今度はデカめの声をだすと、厨房の方から満面の笑みを浮かべた男がやってくる。
そしてすんなり席に通される。
メニューを見て、オーダーを決め、ベルを鳴らす。
店員はこない。
先程の笑みの男は他の客に配膳している。
そして配膳後、自分の席にやってきて注文を取っていく。
オーダーを通した後で、別のテーブルの食べ終わりの皿を重ねる。
ここで気がつくが、フロント業務を笑みの男1人が回している。
人員不足ってそっちかぁ・・・、と思う。
のちにわかるが、会計も笑みの男の担当である。
注文したパスタは10分ぐらいでやってきたので、思ったほどは遅くはない。
まあ、それは良かったとして、それとは別に気になることがある。
店のどこからでも見える、立派なピザ窯があったのだが、その前で棒を持った男が手持ち無沙汰そうにしていた事である。
いや、確かに自分はパスタを頼んだし、ほかの客もパスタっぽいけど。
いろいろ思うところはあるが、店のやり方に口出しするのは無粋だと思うので、何も言わないでおく。