今日は映画館の割引デーで、「真実」を見にいく。
ジョーカーをもう1回見ることも考えるが、結局のところ、いろんな映画を観る方がいいだろう、というところに落ち着く。
是枝監督の作品は「空気人形」しか見たことがなく、この映画は空気感とか雰囲気とかがすごく好きだった気がしたが、内容をよく覚えていない。
それ以前の作品もそれ以後の作品も特に興味がなかったのだが、見に行こうという気になったのは、先日、アフター6ジャンクションに是枝監督が出演してインタビューを受けていて、その際の話がなかなか興味深かったからである。
インタビューはネタバレとまでは言わないが、ラストの重要なシーンへの言及があって、見た際にどうしても身構えてしまい、ああこれか、という答えあわせ感が出てしまったので、気になる人は見た後に聴いた方が良いかもしれない。
空気人形の時に感じた空気感は今回も感じた。
静謐で、軽い語り口で、滞りなく、卒なく、話は淡々と進む。
映画の始まりから終わりまで、その流れに身を委ねていたら終わっていた。
薄いヴェールのようにエピソードを重ねていくうちに、時折重要な模様が浮き出てくる。
まったくうまくいえないが、そんなふうに感じる。
「真実」とだけ書くと非常に重い言葉に感じるが、この映画の中での「真実」は割と軽めに扱われている。
映画全体の軽みとトーンが合うことで、不意に現れる「真実」が後から効いてくる。
深く考えようと思えばいくらでも考えられる気がするが、普遍的な話であり、そこまで考えなくても受け止められる。
しかし、是枝監督は現場で脚本を書き換えながら撮影するとのことだが、なぜ、ここまで破綻なく語れるんだろう。