千葉ニュータウンにて

昼飯時、レストランに入る。

店舗は広いが、それでも混んでいて、自分の前に待ちが2組。

予約した後、待合所に通される。


1組は子供4人(男1人・女3人)の家族で、もう1組は老夫婦である。

女の子の1人が、待合所をウロウロしていて、あっちの椅子に座り、こっちの椅子に座り、挙句の果てに老夫婦と自分の間の席に座り、伸びをする。

ウゼェ・・・、と思っていたら、「テメェ、ウロチョロしてんじゃねぇよ!!」と眉毛のないズルムケの元ヤン風味の母親が叫ぶ。

女の子は家族のシマに戻り、父親の足に腰掛け、伸びをする。

すると今度は「口開け、早く開け!!」とやはり眉毛のないスウェットに身を包んだ母親が叫ぶ。

その叫び声を合図に、父親の隣に座っている男の子が、女の子の頬を手でグッと掴んで口を開こうとするが、女の子は抵抗する。

他の女の子2人と父親はそれをフラットな顔で見ている。

そして眉毛のない安っぽいイヤリングをした母親が女の子の腕を引っ張り、目の前に立たせて、思いっきりビンタをする。

ペシッ、とか、パチン、とかではなく、パスン、という感じのリアルなやつ。

結局のところ、口には何も入っていないようである。


やがてその一家は店員に呼ばれて、待合所を出ていく。

出て行った後で、老夫婦とふと目が合い、我々は苦笑いを浮かべる。


口に何が入っていると疑われたのか気になるところではある。

ただ、とりあえず、みっともねぇ一家だな、と思うが、正しい感想なのか自信がない。