リトルツインスターズに関する追憶

昔好きだった女性がガチのサンリオ好きであった。

就活で当然のようにサンリオを受け(残念ながらダメだったそうである)、いちご新聞を定期購読していて、昼休みにファッション紙みたいに普通に読む。

また彼女はおしゃれであり、見てからに仕立ての良い服を着ているし、身嗜みもしっかりしている。

だが気がつくとネックレスがキキ&ララだったり、スカーフの柄がよく見るとポムポムプリンだったり、さりげないところにサンリオが潜む、粋な着こなしをする。

ティーちゃんの顔をしたバッグなど、他人に愛をアピールするようなあからさまなグッズで威圧せず、身につけて愛でているのがわかり、サンリオに対する芯の強い愛を感じる。


だが、そのアウトルックの慎ましさとは対照的に、彼女がサンリオキャラを語る熱量は凄まじい。

その分野に興味がなくても、類稀なる熱量が何かを突破して周囲を巻き込んでいく。

彼女のサンリオ愛はそんな太陽のような愛である。

自分は確実に飲み込まれた人間であり、好きと公言するほどではないが、サンリオへの興味は人並み以上にある方だとは思う。

そして「彼女は面白いな」という好意を感じ、それはじきに恋愛感情になる。

まあ、成就はしなかったのだけど・・・。


彼女とのサンリオ話であまりにも印象的だったのが、「妹とリトルツインスターズごっこをやる時は私がキキだった」という話である。

言い忘れたが彼女の推しはリトルツインスターズである。

もうすこし詳細を語ると、リトルツインスターズは「キキ(弟)」と「ララ(姉)」であり、姉妹の関係で言えば私がララのはずだが、妹が男役をやりたがらなかったので私がキキを引き受けた、とのこと。

その話を聞き、えもいわれぬ気持ちになり、さまざまな問いが渋滞を起こし、少し絶句したのちに何か言わないとと焦り、渋滞の1番最後に並んでいた「今でも恨んでる?」というしょうもない問いを発してしまう。

「一度も恨んではいない。でも今やるならララは譲らない」と彼女は返し、えもいわれぬ気持ちはさらに深まる。


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自分の部屋を飛び回るリトルツインスターズを見ながら、そんなことを思い出す。