推しの子

先日本屋に寄った際に「推しの子」という漫画がかなりのスペースを占有して平積みになっており、文字びっしりのかなりアツいポップで装飾されているところを見かける。

本屋のあまりの熱量に当てられ、帰宅してから「推しの子」を検索してみると、アプリでかなりの部分が無料で読めることを知る。

【推しの子】|ヤンジャン!|週刊ヤングジャンプの公式マンガアプリ

「タダだったら」ということでアプリをインストールして読んでみたのだが、連載最新話直前の46話まで無料で読むことができ、そこまで一気に読んで、読み終わった後にKindleで全巻購入してたよね・・・。


テーマ的にはサスペンスなのか、サクセスストーリーなのか、ラブコメなのか、どっちつかずでとっ散らかっている感はある。

でもストーリーは文句なく面白く、特に「今日あま」とか「ファーストステージ編」のあたりは、何度読んでもキュンキュンの強度が劣化しない。


なにしろヒロインの「有馬かな」のあり方がとてもツボを心得ており、お手本のようなツンデレ具合に、自分のツンデレ好きの琴線が久々に震える。

「気が強すぎて好きな人への当たりが強くなってしまう」と「自信がなさすぎて逆に強がってしまう」、さらに「天狗の名残で口が悪い」というツン部分のハイブリッドはありそうでなかった感じである。

一見対立するツン要素を自然にバインドする「かつては人気子役だが、徐々に人気が落ち、屈辱的なことも体験し、今はオワコンと思われ、自分も自覚している」というプロフィールが素晴らしい。

デレも「本当にわかってんな」というデレ具合で、幼少期の邂逅からファーストステージ編に至るまでの、デレ度合いのベロシティーが非常に滑らかで、いろんなデレが堪能できる。


この令和の時代に、ここまでオールドスクールで、ストレートで、オーソドックスで、ウェルメイドなツンデレを堪能できる僥倖に感謝したい。

ありがとう、本屋。

ありがとう、集英社

ありがとう、赤坂 アカ × 横槍 メンゴ。