まあ、人並みにインディ・ジョーンズは好きで、どこかのタイミングで観に行こうとは思っていたのだが、今日がちょうどファーストデーで安く見られるので見に行くことにする。
自分がインディ・ジョーンズの1作目であるレイダーズを見たのが中学生ぐらいの頃で、テレビで放映されていたものである。
その頃自分は色々あってナチスを掘っていたこともあり、大変楽しみ、録画したものを繰り返し見ていた。
「考古学」「オカルト」「ナチス」という取り合わせは今でも完璧だと思う。
今回の運命のダイヤルは時代的にはシリーズ中1番後の時代になるが、きちんとその原点に立ち返っていて良い。
それだけではなく、本作は全編を通じて集大成的な趣が強く、サラーなど懐かしい顔ぶれの登場や前作までのつながりの部分もきちんと説明されている。
シリーズの最終作としてきちんと機能している。
ただ最後の部分は「ちょっと懐古すぎない?」とは思う。
正直いうとスピルバーグが降板したとの話を聞いた時は、ものすごく不安になったのだが、杞憂であった。
もちろん映画としてのテイストの違いは感じるが、アクションの部分は近年あまり見ることのない、アンリアルな、まさに映画ならではの「活劇」といった部分はきちんと引き継いでいて、インディー・ジョーンズ感が存分に楽しめる。
オープニングの部分はその意味で非常に満足できるのだが、流石に壮年のインディーのアクションは乗り物で誤魔化している感はある。
ハリソン・フォードの年齢を考えれば仕方がないことであるし、そこはある意味リアルではあるが、もう少し体を使ったアクションを見たかった。
ところで前作のクリスタル・スカルの王国は賛否両論あるみたいであるが、自分は賛の方である。
元々インディー・ジョーンズは法螺話感が強く、ドラマ版においてそれが強化されていたので、冒頭の実験場や最後のオチの部分まで「やってるな〜w」という感じで肯定的である。
今回の運命のダイヤルはそれに勝るとも劣らない展開が待っているのだが、これが世間的にどう受け入れられるのかは気になる。
自分的にはこれぐらいやってもいいと思う。
ただ1点どうしても気になるところがあって、パレードのシーンである。
あそこは決定的に一線を超えてしまっている。
インディー・ジョーンズの魅力に「実は本当にあったのかも」という陰謀論的な楽しみがある。
もちろんフィクションであることは承知しているが、「なかった」ということが証明できないところが、この物語の一線であったと思う。
今までもたとえばインディーが通う大学など、検証可能な部分はあるし、実際そういうことも行われていたようだが、法螺話の延長線上であり、あえて架空の大学に置き換えて話している、という解釈もできる。
ただ今回は「宇宙飛行士の月面到着を祝うパレード」ということで、これは完全に検証が可能であろう。
ここの一線は超えてほしくなかった。
全体的な感想としては、思ったよりは随分良い、という感じである。