ザ・クリエイター / 創造者を見る

映画『ザ・クリエイター/創造者』|20世紀スタジオ公式

ハリウッドのストの影響なのかどうかはよくわからないが、最近はあまり大作が公開されていない。

そんな中、ローグ・ワンの監督のSF最新作が公開されるとなれば、観に行かない選択肢はない。


一応確認のために、今年見た映画を振り返っていたのだが、間違いなく今年観た映画の中でナンバーワンである。

非常に良い。

ストーリー的にちょっと緩いかな、と感じる部分も多少あったのだが、そんなことがどうでもよくなるぐらい物語を構成するアイディアがフレッシュである。

遠くない近未来、人を守るはずのAIが核を爆発させた——
人類とAIの戦争が激化する世界で、元特殊部隊の〈ジョシュア〉は人類を滅ぼす兵器を創り出した“クリエイター”の潜伏先を見つけ、暗殺に向かう。だがそこにいたのは、兵器と呼ばれたAIの少女〈アルフィー〉だった。
そして彼は“ある理由”から、少女を守りぬくと誓う。やがてふたりが辿りつく、衝撃の真実とは…
映画『ザ・クリエイター/創造者』|20世紀スタジオ公式

というイントロダクションである。

人類とAIの戦争というのは、ターミネーターに言及せずとも、割とありがちな設定ではある。

しかしながら、AIに強硬なアメリカ、AIに寛容なアジアの戦争という形で、割と現実味のある世界観になっている。

その世界観の中で登場する人物がドラマツルギーという側面で過不足なく立ち回っている。

特にAIの少女・アルフィーの存在理由が非常に素晴らしく、この作品にビシッと筋を通している。

非常にウェルメイドなストーリーであるとは思う。

ただ、エンディングに関してはもう少し先を語っても良いのではないかと思ったが、まあこれはこれで納得のいく着地ではある。

続編があるのかもしれない。


この作品の最大の魅力はなんと言っても、次々出てくるガジェットだろう。

対AIの最大兵器ノマドやら、特攻ロボット、弩級のタンクなど兵器もそうだし、脳のスキャン装置の顛末に関しては唸るものがある。

ミサイルや超横長のモニターなどの細いまで、あらゆる部分のデザインがいちいち琴線に触れてきて良い。

特に世界観の説明が冒頭にあるのだが、開始5秒でその映像に持っていかれる。

こういうのがSFの楽しみである。


そしてどの役者の演技も良いが、アルフィー役のマデリン・ユナ・ヴォイルズがもう特に素晴らしかった。


なんならIMAXでもう一度観たい。