エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスを観る

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公式サイト

この作品の評判はそこそこ聞いていて、なかなか良い評判で、実際に観に行く直前にアカデミー賞を席巻したわけである。

さらには、最近のヒーロー映画のトレンドであるマルチバースが題材になっているという話を聞き、大好物な題材であることもあり、観に行くことにする。


経営するコインランドリーの税金問題、父親の介護に反抗期の娘、優しいだけで頼りにならない夫と、盛りだくさんのトラブルを抱えたエヴリン。 そんな中、夫に乗り移った“別の宇宙の夫”から、「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と世界の命運を託される。 まさかと驚くエヴリンだが、悪の手先に襲われマルチバースにジャンプ! カンフーの達人の“別の宇宙のエヴリン”の力を得て、闘いに挑むのだが、なんと、巨悪の正体は娘のジョイだった…!
映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公式サイト

という映画である。

観終わった時、個人的に「マトリックス リローデッド」以来の衝撃を受ける。

世界観がかなり独特で割と理解し難いはずだが、映像の力や物語の語り口でグイグイみせるタイプの映画で、有無を言わさず「面白い」という他ない感じがリローデッド以来である。

特にこの作品でのマルチバースのあり方は非常に興味深く、マルチバースの果ての世界は思ってもみないところに連れて行かれる。


全体的に物語は冷静に考えればムラはある。

この作中で現れる主人公のエヴリンの他のバリエーションやエヴリンの夫のあり方も若干とっちらかっているし、結末に至る過程は若干とってつけた感はある。

それでもそもそも発想がすごい話ではあるし、観てる最中は圧倒的な映画力で全く気にならない。

アクションシーンも迫力があり、映像もきちんと手間や金がかかっているのがわかる。

繰り返しになるが、映画力という観点でここ近年ぶっちぎりの出来である。