自分はDCのファンであり、DCEUの最終作ともなれば観ない選択肢は無い。
もうちょっと先の割引デーにみようかとも思ったが、居ても立ってもいられずに公開直後の今日、観にいくことにする。
前作のアクアマンはそれなりに楽しんだが、まあガバガバな映画ではあった。
というかDCEUの作品群はどれも割とガバガバ感じではある。
ただ絵づくりやアクションが自分はすごく好きで、それで楽しめていた。
今作もそれは踏襲していて、「ガバガバだけど楽しい」という感じであった。
話としてみれば、ご都合主義の部分は多々あるし、登場人物の心境など説明が足りない部分は多い。
その代わりダレる部分は全くなく、テンポよく映画を楽しむことができるという作品である。
アクションシーンは惜しげもなく投入されて大満足だし、観たいものは全部観られる。
何も考えずに目の前の映像を楽しむ感じは、子供を連れて観に行くのにちょうどいいと思う。
海中のシーンはどうしたってCGアニメ感は否めないのだが、少なくとも「人」に関してはちゃんと人に見えた。
ここで引き合いに出すのは、実写版のリトルマーメイドで、アリエルが泳ぐシーンで明らかにアリエルがCGに見える場面があって、それで冷めたことを思い出す。
アクションシーンに関しても、CGは使っているのだと思うが、そこは気にならない程度の絵作りにはなっている。
CGアニメの質感と実写の質感のバランスが良い。
しかし、ブラックアダムを観た際も思ったのだが、とにかくガジェットが琴線に触れてくる。
ブラックマンタ側の潜水艇とか、戦艦とか、銃に至るまで、デザインがいちいち良い。
ここら辺のフィクションに振り切った感じがDCEUの良さに思う。
そして思いの外、メラ(アンバー・ハード)の出番が多くてびっくりする。
話的にまあ必要な感じではあるので、ここまで覚悟を決めたのは結構すごいと思う。
また、ニコール・キットマンも良い。
さて、何もなければこれがDCEU最終作ということになる。
この作品はもはやDCEUとのつながりは全く考慮されていない。
そしてそれが良い方向に転んでいるのがわかるので、結構複雑な気持ちになる。
DCEUはやはりMCUに当てられて、ユニバース化を性急に求めすぎたのが良くなかったんだろうと思う。
ワンダーウーマンやアクアマンの単独作は自分は楽しめたし、フラッシュももうちょっと早く公開されていればだいぶ事態は変わっていた気がする。
結局のところ、DCEUは指揮をとったザック・スナイダーのテイストがやはり強かった気がする。
絵作りやアクションは非常に良いのだが、ストーリーがガバガバ、というのがDCEU全体の印象である。
今後はMCUでもDCEUでも実績のあるジェームス・ガン率いるDCUが展開されるが、気分を切り替えてそちらを楽しみに待つことにする。