熊谷を行く #2

百貨店を堪能する。


八木橋百貨店を後にし、恒例のイオン巡礼を行う。

八木橋百貨店から5分もかからないほどの距離に「イオン熊谷店」が建っている。

これほど近くにイオンがあって、八木橋百貨店は喰われないのだろうか……と思っていたのだが、実際にイオンに行ってみると、なんとなくその理由がわかる。

フロアの広さは八木橋百貨店より上だが、密度や面白みの点では八木橋百貨店に軍配が上がる。

モールでもタウンでもない、いわばネイキッドのイオンなので、多彩さに欠けている。

本当に、普通の商品が満遍なく揃っているという印象である。

4Fにあるイオンシネマがこの施設の売りなのだろうが、そこ以外は本当に「普通のイオン」といった趣だ。

1Fのフードコートも、現在はKFCとマクドナルドのみで、その点でも少し面白みに欠ける。

ただ、フロアは本当に気持ちがいいぐらい広い。


さて、ここまで朝食抜きで来ている。

検査の関係で食事が摂れず、そのままなんとなく昼を過ぎてしまった。

どうせなら熊谷名物を何か食べたいと思いGeminiに聞いてみると、「フライ焼き」なる、聞いたことのないものを勧めてくる。

「フライ」と「焼き」が当然のように並列しているのもそうだが、「今まで全く聞いたことがない」という点に興味を惹かれ、即座にそれを食べることに決める。


Geminiが代表格として勧めてきたのは「小山食堂」という店だ。

イオンからそれほど遠くないこともあり、そこへ向かう。

実際に行ってみると、かなり趣のある店構えで、店内もそんな雰囲気である。

熊谷名物ということで混雑を予想していたが、先客が1人いただけで、かなり安堵する。

Geminiの推奨は、焼きそばとフライ焼きがセットになった「ミックス」なるメニューである。

品書きを見ると、焼きそば(小)とフライ焼き(小)にドリンクが付いて980円とのこと。

しかし、(小)で無い単品はそれぞれ500円ほどで、ドリンクを望まなければ、単品で2つ頼んだほうがガッツリ食べられる。

結局、単品でそれぞれ注文することにする。

品書きには「キムチフライ焼き」や「肉入りフライ焼き」など、かなりのバリエーションがある。

焼きそばではなく、そちらを攻めたほうが良かったか……とも一瞬思ったが、この時点ではまだフライ焼きの正体を知らない。

正体不明のものを2種類頼むリスクを考えれば、これで正解だったのかもしれない。

フライ焼きが先に来たので、写真は少し食べかけになってしまったが、出てきたのはこのような一品だ。

焼きそばに関しては屋台のそれに近い感じだったが、フライ焼きは思いのほか独特で面食らう。

小麦粉を焼いた極厚手のクレープ状の生地に、ひき肉を炒めたものやネギなどの野菜が挟んである。

そこにソースが少しかかっている。

自分の経験の中で一番近いのは「シャーピン」だが、生地にそこまでのモチモチ感やパリッと感はない。

また、具に味がついているわけではなく、あくまでソースで味をつけている点も異なる。

お好み焼きの食感とも違うし、餃子よりも皮の主張が強い。

どれもどこかで食べたことがある感覚なのに、そのどれとも違う。

これはかなり新鮮な体験であった。

まごうことなきB級グルメだが、この味を嫌いな日本人はいないだろう。


その後、駅前のAZという施設を眺めたり、十万石まんじゅうを食べたりして過ごす。

久しぶりに食べた十万石まんじゅうであるが、食べた後に思わず5個入りを買ってしまったほどうますぎる。

とにかく、フライ焼きを食べられて良かった。