焼鯖そうめんを食す

長浜に旅行に行く。


旅行前の下調べで、「焼鯖そうめん」が長浜名物らしい、ということを知る。

旨みが染み込んだ長浜名物「鯖そうめん」は知恵と優しさが込められた料理│観光・旅行ガイド - ぐるたび

中でも「翼果楼(よかろう)」という店が良いらしいので、何も考えずにそこに行くことにする。


平日(金曜)の11時半ぐらいに出向き、自分はまったく待つことなく入店したのだが、帰る頃には待ちの列ができたので、本当に人気店なのだなと思った。

翼果楼は築150年の呉服問屋を改装した、非常に趣のある店舗で、その日は雨が降っていたこともあって、店内は薄暗くて良い雰囲気であった。


メニューはせっかくなので、焼鯖そうめんだけでなく、焼鯖寿司付きの御膳を注文する。


きれいに盛り付けられたそうめんの上に、ただならぬ存在感の鯖が乗っている。

早速一口食べてみると、甘じょっぱいタレが身の芯まで染みていて、鯖の旨味と相まって、すごく美味しい。

正直食べる前は鯖缶的な物を想像していたが、身の締まり方、臭みのなさ、鯖の味わい等、まったく違う。


その鯖の旨味とタレの味を吸い込んだそうめんとのマッチングもよい。

しょっぱみをそこまで感じさせない塩梅が見事だと思う。

さらに、タレや出汁などの水分がほぼないにもかかわらず、そうめんの潤いがまったく失われていない。

これには少しマジックを感じる。


繰り返しになるが、似たような物を鯖缶で作れるんじゃないか、と思っていたが、実際食べると、これは再現は無理である。