地下鉄博物館に行く

地下鉄博物館(ちかはく)

せっかくの祝日なんだから何かしたい、そんな焦燥に駆られ、地下鉄博物館に行くことにする。

収蔵品展 懐かしの営団地下鉄Sマーク展|イベント情報|地下鉄博物館(ちかはく)

以前地下鉄に乗った際に、このようなポスターを見かけ、写真を撮るぐらい気になってはいたためである。

営団地下鉄東京メトロになったことも、マークが変わったことも認識しているが、何の引っかかりもなく受け入れており、全く何の感慨も湧いていない。

ただかつて自分が何気なく見ていたものが、今はもう見ることができない、という状況であることに、俄然興味がそそられてしまう。


ちかはくは葛西駅に隣接しており、距離的にも自分の家からは地味に遠い。

乗り換えも何度か必要で若干めんどくさかったが、行きの車内は空いていたので、そこまで苦痛ではない。

葛西駅を降りる時にファミリーを結構見かけたが、博物館は果たして家族連れで溢れている。

あとはビジュアルからすでに明らかに鉄オタの人たちのみで、カップルが全くいない。

館内案内|地下鉄博物館(ちかはく)

こちらを見ていただければわかるのだが、体験型の展示が割とあり、子供へのケアも手厚く、まさにファミリー向けの博物館のように感じる。


体験型の展示に関してはお子さんに譲って、自分は歴史や掘削などを中心に見ていたのだが、思った以上に興味深い。

地下鉄の経緯に関しては何となくは知っていたが、改めて映像や資料付きでみるとまた違う感慨を得られる。

興味深かった展示は2つあり、1つ目はこちら。

営団地下鉄のマークが刻まれたマンホールが展示されている。

このコーナに掲示されていたパネルには、歴代の地下鉄のマークが刻まれたマンホールの蓋が現在も見られる、とあり、その遺構の地図が掲載されている。

そういえば以前、電電公社のマークが刻まれたマンホールを見かけて興奮したことがあった。

マンホールを趣味にしている人の話は結構聞くが、思った以上に興味深い趣味なのかもしれない。

もう1つはこちら。

三ノ輪あたりを掘削していた際に発見されたものらしい。

三ノ輪あたりをナウマン象が闊歩していたかと思うとロマンしか感じない。


そしていよいよ「懐かしの営団地下鉄Sマーク展」であるが、博物館の一角でこっそりやっている感じである。

ただ本社ビルの外看板に関しては、かなり迫力があり、経年劣化が非常にいい感じである。

その他はSマークがついた切符や小物などのアイテムが数多く展示されていたが、気になったのは以下の展示である。

痰壺という概念を久しく忘れていたし、「未使用品」とわざわざ書いてあるのが良い。


映画・ビデオ上映会|地下鉄博物館(ちかはく)

ちかはくでは毎日映画を上映しているそうだが、土日祝日は「地下鉄建設映画」がプログラムされている。

最近は金曜日限定で「東京の地下鉄(平成3年度版)」という映画が上映される。

上記ページのスケジュールには掲載されていない作品で、結構特別な映画らしい。

席には館内と打って変わって、あからさまに鉄オタ的人たちが多く陣取っており、「マジで特別なのかも」と期待してしまう。

ちなみに自分は立ち見で見ることになり、それぐらい盛況である。

上映された映画は結局のところ地下鉄のプロモ動画であり、地下鉄がいかに生活を便利にしているか、安全に運行するためにどれだけのことをしているか、といった内容の映画である。

映画自体は面白くもつまらなくもなかったが、「これが平成3年の映像」ということに感慨が湧く。

映像の質感は完全にフィルムで、粒状感全開のルック、冒頭に緑の線が走ったりして、記録映像感が強い。

自分が青春時代を過ごしている頃のはずなのに、何だか生まれる前のことを見ているような気になる。


結局3時間ぐらいいて、非常に堪能できてよかった。