東武ワールドスクエア

日光に旅行に行く。


日光に行くと決まった際に、江戸村を再訪しようと思っていたのだが、地図を見ているうちに「東武ワールドスクエア」のPOIが目に入る。

まだテレビをガンガン見ていた頃、無駄に感動的なテーマソングのCMが流れており、何となく印象深い。

そういえば東武ワールドスクエアという名前は認識しているが、実際にはなんの施設かほぼわからない。

Googleで検索しようと「東武ワールドスクエア」を入力したところ、第2検索ワードに「つまらない」が真っ先に切り込んできて、それを見た瞬間に何も調べずに行くことを決める。


東武ワールドスクエアは鬼怒川の方にあり、日光から行こうとすると地味にアクセスが悪い。

距離的にはそこまでではないのだが、電車だと乗り換えが発生する。

地図を見ながら色々検討した結果、15kmほどなので歩いていくことにする。

その道中もなかなか面白かったのだが、それはまた別に書こうと思う。

そんなわけで、朝8時半にホテルをチェックアウトして、ワールドスクエアに到着したのが11時半ぐらいだったのだが、なんでさっさと電車で来なかったんだろうと後悔してしまう。

入場してから帰りの電車に乗る16時まで、食事もせずにずっと施設を回り続け、最後は巻きで見なければならないほど堪能する。


東武ワールドスクウェアは、世界の建造物や世界遺産を25分の1のスケールで再現した世界建築博物館です。
東武ワールドスクウェア | 48世界遺産を含む、世界の有名建築物102点。一日でめぐる世界一周の旅。

とのことであり、何となく概要は知っていたのだが、実際に見ると誤解の余地なくその通りの施設であることがわかる。

入ってパッと目につくところに、スカイツリーのミニチュアが鎮座している。

ミニチュアといえどかなり大きい。

しかもかなり精巧にできていて、スカイツリー下の施設までかなり手の込んだものなのだが、眺めているうちに「なんかヤベェ・・・」と思ってしまう。

はっきり言ってしまえば、「世界の有名建築物のミニチュアを展示して、1日で世界を回れる」というコンセプトはわかるが、実際にやると決め、それ相応の建設費を計上し、精巧なミニチュアを102点作る、という熱量がなんかヤバい。

しかも各展示には必ず人のミニチュアが配置されており、総数14万体いるらしく、毎日入れ替えているそうである。

実際自分が回っている間も、絵師が展示の塗り替えをしていたりし、日々メンテナンスが行われている。

なんというかこの施設にかけられた途方もない手間にクラクラするものを覚える。


今年東武ワールドスクエアは30周年を迎えたそうである。

そして、エントランスで出迎えたものがこれである。

ミニチュアの人文字であり、正直ちょっと怖い。

ここに象徴されていると思うが、ワールドスクエアの人のミニチュアへのこだわりがすごい。

途中から建造物よりも人が気になり出してしまう。

節々でこういうナラティブなミニチュアが存在している。

中でも1番のお気に入りは東大寺裏のこちらのミニチュアである。

これもう完全に何かが始まってるじゃん。

他にもなんか見覚えのある人がいたり、

コラボの関連の違和感のある人がいたり、

もう目が離せない。


ワールドスクエアでは決められた時間にガイド付きのツアーが行われている。

午前のツアーには間に合わなかったが、午後のツアーに帯同する。

待ち合わせ場所にはワールドスクエアTシャツをきた、東南アジア人がいて、その人がガイドである。

案内が普通にカタコトの日本語で行われて面食らうが、ガイドの内容は非常に興味深いものであった。

展示されている建物の実際の謂れ、ミニチュアの見どころ、本来有料であるアトラクションの無料開放など、30分ほどであるが、少しもだれない。

この感じだったら午前のツアーも聞いてみたかった感じである。


ここからは少し気になったところを羅列していきたい。

節々で実際の企業が登場するが、明治やコカコーラに関してはコラボと言っていいぐらいガッツリと登場する。

こちらはガイドが紹介したミニチュアであるが、1番小さなマトリョーシカは米粒より小さいらしい。

自分だったら半狂乱になっている。

わざわざ怪しい人を作るところが狂おしいほどいい。

このTシャツ欲しい。

この東武ワールドスクエアで1番不可解な建物である漁港の光景である。


自分はスマホのカメラで撮りまくったのだが、カメラを手放してしまったことが悔やまれる。

この施設は面白ミニチュアを探すもよし、建物をかっこよく撮るもよし、写真が趣味な人は大興奮できると思う。


最後に1番心を奪われたのは、東武ワールドスクエアの歴史を紹介するブースに展示されていたこのパネルである。

地味にこの施設1番の狂気を感じる。