Another Perman

“Fの遺伝子”を引き継ぐ、16名の漫画家による響宴!『藤子・F・不二雄トリビュート&アンソロジー F THE TRIBUTE』発売! | 株式会社小学館のプレスリリース

藤子・F・不二雄トリビュートなる単行本が発売されたらしい。

Googleのレコメンドでそのことを知る。

奥浩哉が執筆した、「パーマン」のトリビュート作品「Another Perman」より。 - 藤子・F・不二雄トリビュート本が本日発売 高松美咲、山口つばさ、渡辺航ら16人参加 [画像ギャラリー 6/18] - コミックナタリー

本文そっちのけでレコメンドしてきたのが上記ページで、Googleわかってんなぁ・・・、と感心してしまう。

抜粋されたページは完全に奥浩哉の雰囲気であり、この感じでパーマンを描くとか購入不可避である。

3000円近くする本だが、全く躊躇なく購入する。


件のAnother Permanを読んでみたが、凄まじく良い。

これだけで5回ぐらい読み返したし、元はとったぐらいの満足感である。

音楽では良くある、「巨匠の作品を自分のテイストでリビルドする」というもので、漫画であまり聞かない試みであるが、この作品はとんてもなくうまくハマっている。

まず、パーマンの世界観と奥浩哉の雰囲気の親和性がすごい。

特にブービーの存在が凄まじく奥浩哉っぽくて、奥浩哉の他の作品でもこの感じのキャラがいても全然おかしくない。

また、絵柄やデザインも素晴らしく、ブービーの妙にリアルな感じとか、パーやんがつけているネックレスとか、ヘルメットのデザインとか細かいところが琴線に触れる。

事件が解決した際の見開きの絵とか、しばらくしみじみ見てしまったほどである。

話も大体先がわかる感じではあるが、語り口が良いので、望んでいるものをそのまま見た感じではある。

終わり方の潔さがすごく良い。

パーマン本編の最終回から考えれば、ちょっと違和を感じる部分もあるのだが、それも全然気にならない。

無粋なことなのかもしれないが、この感じでパーマンの続編を短期連載とかしてくれないだろうか。


その他のトリビュート作品も良いものが結構あるし、F先生の作品そのものも読めるので、かなりお得な書籍だったと思う。