三等兵、ゴミを捨てる

6月は求職中であったが、その一方で暇に殺られそうなぐらい時間が余っていた。

せっかくの休暇なんで、とりあえずやりたいことをこの間にやっておこうと思い、スカイツリーに登ったり、溜まっていた本を読んだり、映画を見たり、旅行に行ったりしていた。


そして、そのうちやることがなくなる。

ある日、本を読み終わり、いつものように押入れに本を押し込もうと思った際に、もう読まない本いっぱいあるよな・・・、と思う。

そういうモノを片付けるとかも、結構まとまった時間ないとできない、と思い、この機会にまとめて売ってしまうことにする。

これは売る、これはもう手に入りそうもない、これはいずれ読む、など選別しているうちになんだか面倒になり、もうよっぽどでない限り売ってしまおう、という気分になる。

その結果、文章の本は全部売り払い、押し入れはアメコミと藤子・F・不二雄全集のみになる。

スカスカになった押入れを見て、非常に気分が良くなる。

それに味をしめ、もう機材がないので見ることができないDVDを全部売却し、ゲームを売り、CDを売る。

要するに、恥ずかしながら、断捨離モードに入っている。


今の家に住んで二十数年たつが、前の家から持ち込んで、ずっと捨てられないでいるものがある。

タツと布団である。

粗大ゴミになるので、予約がめんどくさいのと、有料である、という理由で20年以上部屋の隅に放置している。

しかし今、人生最大に断捨離熱が高まっている今、布団を捨てる覚悟を得る。


実際粗大ゴミの申し込みをして見ると、あまりにもすんなりいったので拍子抜けする。

役所のHPで捨てるものを検索し、数を入れ、回収日を決め、届いたメールの金額分の券をコンビニで買い、回収日に表にゴミを出し、券を貼るだけである。

文章的には割と長くなっているが、めんどくさい部分は何もない。

なんでもっと早く捨てなかったんだろうという気分になる。


布団を表に出す際に奥からカーペットが出てくる。

が、しかし、粗大ゴミを捨てる回路ができた今、怖いものは何もない。