自分がガキの頃、ミロは憧れの飲み物であった。
理由はよくわからないが、ココア<<<<<越えられない壁<<<<<<ミロという意識があり、ミロを日常的に飲んでいる後輩Tの家庭を羨望の眼差しで見つめていた。
そして自分も成長し、ミロへの幻想もやがて薄れ、すっかりミロのことを考えなくなってしまう。
それでもたまにミロを飲むことがあり、その度に「やっぱウメェ」と思ったものだ。
最後にミロを飲んだのはいつだったか定かでない。
おそらく東京に出てきて間も無くの頃、学生寮に住んでいた頃の話じゃないかと思う。
その後もコンビニとかスーパーで粉末やら缶やらのミロを見ていたとは思うが、もうすっかり興味を無くしたせいなのか、買うことはなかった。
しかし今日、スーパーでコーヒーを買おうとした際に、同じ棚でスティックの粉末ミロが安売りされているのを見かけ、ずいぶん久々に買うことにする。
安売りといっても、いつも買っているコーヒースティックの普段の価格の方が全然安いが、ミロへの憧憬に火がついてしまったんだから仕方ない。
カゴに入れる。
家に帰り、さてミロを飲もうとした際に「牛乳で割る」という記述を見かける。
・・・いやそうだったわ・・・。
牛乳で割らないミロはミロではないことを思い出し、仕方なくもう一度スーパーに行く。
牛乳なんか明日にしてしまえばいいのだが、ミロを飲むモードに入ってしまったので今更引き返すつもりはない。
2度目のスーパーにいき、牛乳を購入する。
そして鍋で牛乳を温め、ミロを作り、いよいよ口にする。
・・・こんなに麦の味したっけ?
思った以上に麦芽コーヒーとかメッコールとかの麦芽の風味がする。
自分の頭の中では「ミロ≒ココア」だったが、結構別物に感じる。
まずくはないが、積極的に飲みたい感じではなくなる。