横殴りの疑念

朝食の買い物を済ませ、信号待ちしていたところ、薄着のランナーがスッと自分の前隣に並ぶ。

今朝は割と肌寒い気がして、自分はヒートテックのタイツまで履いているのだが、かのランナーは黒のランニングに黒のショートパンツ・・・、というところで、ランナーの履いているものがどう見てもトランクスにしか見えないことに気がつく。

自分はデリカシーがない方だし、ランナーは自分の少し前に立っているのでおそらく気がつかないだろうという判断で結構ジロジロ見たのだが、アウターにしては生地が薄すぎるように見えるし、腰のゴムの部分が明らかにトランクスの造りである。

ランナーの正面は見えず、小窓がついているかまではわからず、よっぽど前に回って確認しようかと思ったが流石にそこまではやれない。

信号が青に変わり、ランナーは颯爽と前へ前へと走っていく。

自分の疑念は置き去りのまま、モヤモヤした気分で家路をたどる。

ショートパンツなのかガチパンツなのかはわからないが、せめてそのパンツの下にブリーフを履いていて欲しい、と願うばかりである。