この画像を見た時にもう観ることを決定し、昨日時間が取れたので観に行く。
公開して少し経っているのと、オミクロン禍である中、意外なほど観客がいる。
どちらかというとカップルよりも女性の2人組や女性の単独客が多く、「そうだ、グッチの映画なんだ」と上映前に思う。
グッチ家の栄枯盛衰を描いた映画で、実話をもとにしている、ということであるが、どこまでが事実でどこからが創作かは自分はわかっていない。
ただ観る前でもこの話の実際の顛末は大体わかっているので、序盤のマウリツィオとパトリツィアが恋に落ちて結婚するまでの過程が少しかったるい。
物語としては必要な部分なのだと思うが、ダメになるとわかっている恋愛の始まりをずっと観せられるのはあまり楽しいものではない。
後半はかなり興味深いし、面白いことにはなっていくが、ここだけ残念である。
話に若干ダイジェスト感があるのだが、事実をもとにした話ではよくあることである。
重要なのは、最後の暗殺に至るまでの過程や心の機微であると思うが、いろいろな部分を省いているのが結構わかるので、物語としてのつながりは良くない。
そうなると、どこまで事実なのかという部分は気になるところであるが、ついさっきまでさらっと調べた限りではだいぶ脚色は加えられているようである。
ならばもっと物語として一本筋が通るように改変してもよかったのではないかと思う。
しかしながら、出てくる役者の演技が相当良い。
ちゃんと演技を見るのは初めてのレディー・ガガも、どこにでも溶け込むことで定評があるアダム・ドライバーしかり、熱演というよりも別人であるジャレッド・レトも素晴らしい演技をしている。
ただやっぱり、アル・パチーノはちょっと別格の演技である。
アル・パチーノが怒るシーンはどこをとってもとてつもなく良い。