舞台「ウマ娘 プリティーダービー」~Sprinters' Story~ を見る

舞台「ウマ娘 プリティーダービー」~Sprinters' Story~ 舞台公式サイト

千秋楽の舞台をストリーミングで見る。

この舞台に関してはいろいろ経緯がありすぎるのだが、それはさておいて、なかなか面白い体験であった。


物語自体はダイタクヘリオスダイイチルビーケイエスミラクルヤマニンゼファーの4人のウマ娘の交流を描いた話である。

ウマ娘自体が現実の競馬で活躍した競走馬を擬人化したものであり、この舞台も現実の競馬の経緯をほぼそのまま取り込んでいる。

舞台上で行われるレースの結果は現実の競馬と全く同じであり、ここら辺がプレイによって結果が変わるゲームとは違う部分になる。

ウマ娘のアニメの方も同じような構造で、ジャンクルポケット斉藤氏の試聴動画が有名だが、現実の競馬にハマっている人も唸る出来であるようである。

現実の馬がどういう気持ちで走っていたのかは分かりようもないが、どんな気持ちではしていたのかをウマ娘に仮託することで物語の面白みを生み出している。

その意味でこの舞台の物語はよくできていると思う。

ダイイチルビーに惹かれるダイタクヘリオス、名門に生まれたダイイチルビーの重圧、体質の弱さを抱えながら、その克服に尽力した人たちへの思いを抱えて走るケイエスミラクルなど、現実の競馬の経緯をうまく解釈しながら1つの話にまとめている。

しかしながら、ケイエスミラクルの顛末に関しては現実に即して、もう少し悲劇的でもよかったのではないかとも思ったが、アニメでも同じようなことはあったので、まあここが落とし所なんだろう。


一番感心したのは、ダイイチルビー役の礒部花凜ケイエスミラクル役の佐藤日向のうまさである。

この舞台は基本的にはミュージカルであり、舞台の半分以上が歌やダンスなのだが、とにかくこの2人は激しく踊った後や踊っている最中でも全く演技や歌がブレない。

そして歌も単純に上手い。

少し調べてみると礒部花凜大阪芸大でミュージカルを学んでおり、佐藤日向は元さくら学院とかで、この2人はステージが本職みたいな人のようである。

なんとなく、このためにキャスティングされたんだろうなという気がする。


今回ライブのストリーミング配信を初めて見たが、なかなか良い。

「ああ、これは現場で観た方が盛り上がったろうな」という部分があるが、他の客を気にすることなく、家で気兼ねなく見られるのはこれはこれで変え難い体験である。

見ていて「これどういうことだっけ?」という部分をスマホで検索することもできたし、何より序盤は夕飯を食べながらディナーショー気分で視聴をする。

椅子の座り心地も多分家の方が良い。

ライブストリーミングというチャンネルが新たに開いたので、何かまた興味があるステージがあれば今後全然見ていくと思う。