鼻毛をぬく

GW、岐阜に旅行に行く。


ぎふチャンを見物した後で、髪を切ることにする。

なんでそんなことを始めたのか忘れてしまったが、旅行に行くと現地の安い理容室に飛び込んで髪を切る、というのが恒例になっている。

今回も岐阜市内で首尾よく低価格の理容室を見つけることができたので、刈ることにする。


店内にはすでに何人かいたが、すぐに席に通され、散髪用のケープをかけられる。

そしてそのまま10分ほど放置される。

客は自分を含めて4人ほどで、2人の店員が大車輪で髪を切り、髭を剃り、髪を洗っている。

文句を言う謂れはなく、まあ仕方がないと諦めてその時を待つことにする。


カットが始まってからはスムースにことは進む。

カットが終わり、席を倒され、仰向けで髭を剃られている時に、店員が「鼻毛は綺麗にします?」と聞いてくる。

普通の理容店だと、小さなハサミで鼻毛をカットしてくれるので、それのことかと思い、「お願いします」と軽く答えると、「300円かかりますがいいですか?」と返される。

「はぁ? 鼻毛切るのに300円?」と思ったが、口にすることはできず、つまらない見栄が頭をもたげて「だったらいいです」と言うこともできず、「まあ、今時衛生的に追加料金取るのもしょうがないか」と自分を納得させて、「はい」と答えてしまう。

すると店員はしばらく席から離れ、戻ってくると、自分の鼻穴にちょっと熱いサムシングを突っ込む。

瞬間「ワックスだ・・・」と悟るが、間髪いれずにもう片方の穴にも同じものを突っ込む。

そのまま席を起こされて、鼻穴から白いスティックが飛び出た状況で首筋を剃られる。

鏡に映る自分を見、なんならそんな状態の自分をセルフィーで撮っておきたかったが叶わない。

しばらくして剃りが終わり、もう一度椅子を倒される。

そして「抜きますよぉ」とちょっと嬉しそうに言われ、鼻穴に鈍痛が走る。

思ったほど痛くはないが、痛くなくはない。

両方の鼻穴のスティックを抜いた後に、店員がまたもや嬉しそうに「これだけ抜けました」とスティックを見せてくる。

色こそ黒いが耳かきの梵天みたいになっており、「う〜わ・・・」とどすのきいた唸り声をあげてしまう。


店を出た後に近くのビルのトイレに入り、鏡で鼻穴を見てみる。

当然のことだが、見事に鼻毛がない。

あまりに何もないんで心配になって調べてみる。

ためになる「鼻毛」のおはなし | フェイスケア | メンズグルーミング | Panasonic

やっぱりちょっとまずい感じがする。

生まれて初めて「早く鼻毛が生えてほしい」と思ってしまう。