自分はDC贔屓であり、さらには「ヒーロー映画史上最高傑作」という呼び声も高いので、太陽が東から昇るように自分は劇場に行く。
西から昇ったって行く。
DC関連の映画は現在過渡期を迎えており、ザック・スナイダーによるDCEUから、ジェームズ・ガンとピーター・サフランによるDCUへと移行しつつある。
ザ・フラッシュはその橋渡しを行う映画であるという噂があった。
フラッシュはDCというかなんならアメコミのマルチバースの扉を開いたキャラであり、その役割は十分に果たせる。
ただ今作は橋渡し云々が有耶無耶にされており、消化不良である。
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こういった記事があり、ラストは相当苦労したことがうかがえる。
経緯を辿ると現状のラストは色々あった中ではベストではあると思う。
クリスチャン・ベールでもなく、ロバート・パティンソンでもなく、ジョージ・クルーニーというのは絶妙な選択だと思う。
しかしながら、DCUへの繋がりという面はやはり薄く、逆にDCEUの終点といった感じがして、若干悲しみすら感じてしまう。
この映画の語りどころはなんといってもラストを含め、豪華すぎるカメオ出演者で、びっくりするような映像がある。
特にニコラス・ケイジのスーパーマンは頭が弾けたかと思ったほどの衝撃を受ける。
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監督によるネタバレがあったとのことであるが、フラッシュに関しては情報をシャットダウンしていたので幸いし、無事劇場で知ることができる。
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あのシーンはCGかと思ったが、実際にニコラス・ケイジで撮影したものらしい。
そこも胸熱である。
自分はニコラス・ケイジのコミック狂ぶりも「スーパーマン・リブズ」のことも知っていたので、ただただ興奮していたが、斜向かいにいたお子様はポカーンだったとは思う。
あのシーケンスが全体的にハイコンテクストで、自分はガン上がりできたが、DCに思い入れがない人はよくわからないかもしれない。
そしてもう一つの見どころはマイケル・キートンが再演するバットマンである。
自分はマイケル・キートン / ティム・バートンのバットマンを誇張なしにおそらく100回ぐらい見ているほど思い入れがあるのだが、これに関しては完全に満足する。
満たされてる。
完全に強者であり、アクションもカッコよく、フラッシュのメンターとしての立ち振る舞いも完璧で、見たかった老バットマンである。
特にアクションの部分は、ジャスティス・リーグのベン・アフレック版バットマンにも匹敵するかっこよさである。
今後、いろいろな作品で活躍する予定だったはずが、見られなくなったのは残念である。
ここからは苦言になるのだが、ストーリーはやはりDCっぽいというか、甘さが目立つ。
特に若いバリー・アレンの存在がよくわからない。
途中まで「若いバリー・アレンが能力を持たないと、今の自分の能力が消える」ということで行動していたはずなのだが、最後「若いバリー・アレンが死んでも今の自分は消えない」ということになっており、そこの関係性がよくわからない。
スパゲティーの例えでなんとなくありなのかもしれないとは思うのだが、明確な説明がないところなのでモヤモヤする。
最後に歯が抜けた部分も唐突すぎるし、なんというか整理しづらい印象である。
もう1回観ろってことか?
また、フラッシュの走るシーンはもうちょっとなんとかならなかったのかとは思う。
昔のフラッシュの表現を意図しているのかもしれないが、やっぱりカッコ悪い。
「ヒーロー映画史上最高傑作」というのは言い過ぎだとは思うが、ガン上がった事は間違いない。
また人を選ぶ映画だとは思うが、自分は非常に楽しめた。