3連休の週はどこかしらへ遠足に行くことにしているのだが、最近は「とりあえず電車に乗って、終点まで行ってみる」ということをしている。
今回は、京成線に乗って終点を目指してみる。
京成の成田方面といえば、言わずと知れた成田空港が終点だが、普通電車に乗っていると、その手前が終点になることも多い。
自分が乗った電車の終点は「印旛日本医大駅」だった。
ここは北総鉄道の終点でもあり、京成成田スカイアクセス線が北総鉄道の線路を共用しているという兼ね合いらしい。

諸事情あって、コロナ禍以前は千葉ニュータウンに足繁く通っていた時期があり、この駅にも何度か足を運んだことがある。
正直なところ、駅前は驚くほど何もない場所である。
朝食もまだだったのだが、マックやドトールといった、朝から開いているチェーン店すら見当たらない。
とりあえず終点だからと降りてみたものの、「さて、ここで何をする?」というのは、電車に揺られている間ずっと考えていたことだ。
すがるような思いで地図を眺めていると、少し離れた場所に「千葉県立房総のむら」というPOIを見つける。
そんな施設があることは初めて知ったが、「こんな辺境で千葉県は何をしているんだ」という点に興味を惹かれ、かなりの距離を歩くことになるが行ってみることにする。
体験博物館 千葉県立房総のむら - 体験博物館 千葉県立房総のむらの公式サイトです。県内各地から出土した考古遺物や、武家・商家・農家などの展示を通して歴史を学んでいただくことを目的とする博物館です。

ホームページにもある通り、江戸時代風の街並みが再現されており、映画やドラマ、CMのロケ地としても重宝されている施設のようだ。
街並みだけでなく、武家屋敷や農家、畑なども再現されている。


農家に至っては上総・下総の様式の違いまで作り込まれていて、なかなかに本格的だ。
ロケ実績を見ればわかる通り、かなりの頻度で利用されている。
都心から比較的近く、これだけの街並みが揃っていれば、それも納得である。
入場料は300円と手頃で、電子決済が使えるのも良い。
ただ、施設内の飲食店や一部の体験コーナーは現金のみだったので、やはり多少の現金は持っておいたほうが良さそうだ。
しかし、この施設の真骨頂は「体験博物館」という名の通り、街並みの一軒一軒で「ものづくり」を体験できる点にある。
中には鍛冶を体験できるコーナーもあり、子供がハンマーで鉄を打っていた。
こちらは先着順らしく、訪れた時には午前の部がすでに埋まっていて体験は叶わなかったが、非常にやってみたかったところである。


体験だけでなく、施設自体がかなり広大で、豊かな自然に溢れている。
「ヘビに注意」といった看板が普通に立っており、これだけ自然が多ければそういう心配も出てくるのか、とむしろ感心してしまう。
天気が良かったこともあり、こうした自然の中を散策するだけでも十分に気持ちが良い。
そんなふうにぶらぶら歩いているうちに、「風土記の丘資料館」なる博物館にエンカウントする。

結構奥まったところにある施設で、そこそこの距離を歩くことになる。



何の気なしに入ってみたのだが、千葉で出土した縄文・弥生時代の遺物が数多く展示されており、それらを一通り眺めるだけで、気づけば1時間半ほど消費してしまった。
正直、こういうものには元々興味がなく、実際に小学生の頃に同じような博物館へ行った時は退屈していた記憶がある。
しかし大人になった今、1000年以上も前の遺物が目の前にあるという事実に、どこか神妙な気持ちにさせられる。
「かつて、実際にこれを作って暮らしていた人がいたんだ」という実感が、なぜだか心に響いて仕方がない。
この施設は思いのほか、当たりだった。
結局のところ、300円で4時間ほどたっぷり楽しめた計算になる。
特に「風土記の丘資料館」は、その時の企画展「房総の海辺のムラ」も含めて、かなり面白かった。
千葉という土地は、まだまだ深い。