パラサイト 半地下の家族を観る

「フォード VS フェラーリ」とどちらを観るか非常に迷ったのだが、良い評判をいろんなところ(ほぼラジオ)で聞くので、「パラサイト 半地下の家族」を観ることにする。


そして怒りから入るが、ラジオでライムスターの宇多丸がこの物語の核心部分をほのめかしやがって、あそこに何かあるんだな、というのが察せる状態で見たので、驚きがあまりなかった。

あの発言を聞かずに見ていたらおそらく、予測不能な展開、という前評判通りで見られたと思う。


それを抜きにしても、物語全体が都合よくできすぎている、と感じる。

下層階級の家族が上流階級の家庭に食い込んでいく、という話なのだが、食い込んでいく過程に不可解な部分がある。

下層階級一家の悪知恵がすごい、だったり、上流階級一家が無垢すぎる、あるいは両方が理由だとしても、ちょっと無理がある流れで物事がスムースに進む。

語りたいことのために物語が構成されているために、人物像がよくわからないことになっている。


娯楽作品としてみれば、これぐらいの作為的な展開は許容範囲だとは思う。

その一方で、階級を隔てる部分の表現や、それに伴う最後の衝動の部分など、残酷で胸を打つところがこの映画には同時に存在する。

多面的にみられる、という評価も可能だろうが、自分にとっては、娯楽作品なのか、社会派の作品なのか、どっちつかずの印象を受ける。


演出の手際は素晴らしく、映画自体は小気味よく観られるのだが、映画だから、で片付けられない描写も見られ、それがその程度ですむの? と思うことがままある。


とは言いつつ、観ていられる映画ではあるが、自分は今一つピンことなかった、という感じであった。