まあ、ジョジョは好きである。
特に4部がマイフェイバリットであり、ドラマも楽しんだので、観に行かないなんて選択肢はない。
劇場は結構な席が埋まっていて、やっぱり人気あるんだな、という気がする。
あれだけ唯一無二の漫画を見事にドラマ化したスタッフとキャストであり、全幅の信頼で観劇に望んだわけであるが、果たしてその期待に応えてくれる出来である。
とにかくキャストがよく、全員いい仕事をしている。
高橋一生は言うまでもなく、過不足なくウザい飯豊まりえ、木村文乃もものすごく雰囲気がある演技をしてて良い。
若き日の岸辺露伴を演じた長尾謙杜は演技をもう少し高橋一生に寄せても良いかなと思ったし、この話というか岸辺露伴シリーズ内でも屈指の名台詞のあそこはもうちょっと確信的に言って欲しかったというのはあるが、岸辺露伴であることは納得できる。
登場する全員が原作の雰囲気を醸し出しており、まさにそれを観に来た自分は満悦する。
観る前に「黒い絵はどうするんだろう」と思っていたのだが、こちらもかなり納得できる翻案がされている。
過剰に原作を再現するでなく、黒い絵の能力も、描かれていたものも、映像化に適した納得の改変である。
こういうところがまさにドラマ版の良さであり、映画でもそこは押さえられている。
原作は中編といった感じで、そのままドラマにすれば1時間ですみそうな感じなのだが、それを2時間にするためにドラマで拡張された部分はさすがという感じである。
贋作をめぐる部分は、若干ミステリー感が強くなっており、正直そこは求めていなかったのだが、映画のスケール感を出すためには必要だったのだろう。
ただ黒い絵の謂れに関する部分は原作より詳細に描かれ、そこがよい。
今までのドラマで積み重ねてきたことが、本当に花開いている感じがする。