諸事情あって渋谷でちょっとした暇ができ、映画を観るぐらいの時間があり、近くの映画館で上映時間的に直近の作品を検索してみたら、評判になっている「さよならテレビ」を見かけたので観ることにする。
その直前までちょっとイラッとしていたのだが、この作品が見られることになったのは逆にラッキーなんじゃないという気になる。
「さよならテレビ」は東海テレビのニュース番組の制作現場にカメラを向けた、東海テレビのドキュメンタリーである。
つまり身内に対してカメラを向けているわけであるが、まったく手加減なしに制作現場を晒していく。
よくここまで曝け出したな、というシーンの連発で、これが去年東海テレビで放送された、という事実が少し信じられない感じである。
ドキュメンタリーとして、というよりも、普通に映画的に面白い。
キャラクターが粒立っているし、話も筋がきちんとしている。
言い方を変えれば「できすぎている」。
ドキュメンタリーとして観ていると何箇所かモヤモヤする部分があるのだが、最後まで見ればそのモヤモヤはきちんと回収される。
しかしながらその回収の部分はまったくフレッシュな物ではない。
もっというなら、今まで再三ドキュメンタリーの俎上に上がってきたものであり、ありきたりの結末ではある。
十分に見応えはあり、面白いし、覚悟も感じる。
でもまとめ方が少し残念と言った感じである。