ついさきほどまで映画を観ていたのだが、隣席のおっさんがずっと酒を飲んでいた。
上映開始早々、安い日本酒の匂いがただよい、反射的にその方向を見ると、おっさんがカップ酒を飲んでいる。
思わず「マジかよ・・・」と呟いてしまう。
スメハラといえば以前、上映中にカレー味のスナックを啄み始めた馬鹿野郎がいたが、それに次ぐ暴力性である。
そしてそれがトリガーとなって気づいたのだが、幼い頃に近所にいたアル中の親父と同じ匂いがする。
もうそういう人なんだと思って諦めて映画を鑑賞を続ける。
そしてこの映画で最も盛り上がったタイミングでおっさんは席を立つ。
トイレに行ったっぽい。
帰ってきた頃にはクライマックスは過ぎ去っており、こいつは何しにきたんだ、という想いを抑えられない。
最終的に劇場が明転し、自分が席を立つときには、おっさんの手にストロングゼロが握られており、「だめだこりゃ」と心中でつぶやき、テレレレレレというあの音楽が再生される。
なかなかウェルフォームドな外見であったが、ダサさは行動に出る。