夕食後、風呂に入ってくつろいでいたら、部屋の外からキラキラ星のメロディーが聞こえてくる。
かなりの大音量のようだが、遠くからなので我慢はできる程度ではある。
でも気にならないほどではなく、音が鳴るとそちらに気は行く。
曲が終わると意識は戻るのだが、絶妙な間を開けて再度流れる。
断続的に続くので、気が散って仕方がない。
何度目かのキラキラ星が流れた時に、いよいよイラッときて、何の音なのか確かめようと、とりあえず風呂から出ることにする。
キラキラ星を聴きながら体を拭いている最中、上の階からドーンという音がして、「うるせええええええぇぇぇーーーーー」という絶叫が響き渡る。
反射的にビクッとしてしまう。
上の階のおっさんが我慢できなかったらしい。
いやお前のほうがウルセェし、キラキラ星を大音量で流している当事者に届くもんかね。
とか思いながら、しばらく様子を見たが、恐ろしいことにそこからきらきら星は流れなくなる。
結局のところ、キラキラ星は何だったのかはわからない。
どこで、誰が、何のためにキラキラ星を大音量で流していたのか。
真相は藪の中である。
控えめに言って、気になって仕方がない。