4/11(金)公開|映画『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』公式サイト
劇場ではコナンシフトが始まっており、えげつない回数のコナンが上映されている。
特にコナンが嫌いなわけでもなく、無理やり観せられるわけでもないのだが、なんとなく毎年コナンシフトには嫌気がさしており、なんとなく劇場から遠ざかってしまう。
まあ、そんなこともあり先週は映画を観ておらず、さらに来週サンダーボルツ*が始まるので、別に今週は劇場に行く予定はなかったのだが、「暇」という抗い難い理由で急遽劇場に行くことにする。
しかしながら、まあ例によって観たい映画があるわけではなく、劇場に行って真っ先に観られる映画をチョイスする。
それが「ベテラン 凶悪犯罪捜査班」だったというわけである。
本当に急遽観に行ったので、事前の情報どころか、タイトルだけでチケットを購入する。
事前情報がここまで何もない中で映画を観るのは久々である。
マジな話、映画が始まって「あ、韓流だ」と思ったぐらいである。
「凶悪犯罪捜査班」というタイトルで、なんとなくハードな刑事ものを想定していたのだが、冒頭がかなりコメディータッチで面食らう。
ゴールデン・ハーベスト感が漂っているし、テレ朝の水曜日あたりに見られそうな雰囲気もある。
映画全体でそのトーンは貫かれていて、全体的に若干ライトな雰囲気ではあるが、アクションシーンやゴア描写が結構過激で、不思議な味わいになっている。
ベテラン刑事ソ・ドチョルと、凶悪犯罪捜査班の刑事たち。法では裁かれなかった悪人が連続して殺された。不条理な司法制度に憤っていた世論は、私刑を下す犯人を善と悪を裁く伝説上の生き物“ヘチ”と呼び、正義のヒーローともてはやすようになる。
4/11(金)公開|映画『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』公式サイト
という話である。
結構ありがちな話ではあると思うが、YoutuberやSNSの正義感など、現代的な要素が盛り込まれていて、なかなか興味深い話になっている。
途中、「ああ、これ続編なんだ」とわかる部分があり、観終わった後で検索してみたところ、果たして「ベテラン」という映画の続編とのことである。
ベテランはナッツ・リターン事件や財閥の御曹司の暴行事件など、当時の世相を盛り込んだ映画だったようで、今作もそのコンセプトは引き継がれているようである。
物語自体はまあちょっとゆるかったり過剰な部分はあるが、エンタメとしては存分に楽しめる。
それこそ、テレビドラマの刑事物を見ている感覚である。
話についてとやかくいうのは野暮というものだろう。
ただ、個人的に韓国の世相に明るくないので、どこまでがリアリティーで、どこからがフィクションなのかよくわからない部分が結構あった。
具体的にいうとアヘン窟みたいなところである。
韓国には本当にそういうところがあるのか、フィクションなのかがよくわからない。
それに食事シーンとかも、執拗にふうふうして冷ましてラーメンを食べるシーンがあり、過剰な演技なのか、テンプレ演技なのか、リアルな演技なのかがよくわからない。
ひとえにこれは自分の韓流エンタメ・リテラシーの問題ではあるのだが、困惑するところではある。
この映画で本当に感心したのは、アクションシーンである。
最近のヒーロー映画より遥かにいい。
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカあたりのアクションを見ている感覚である。
本当に「暴力を振るっている」というのがわかる、重たいアクションで、明らかに見せ要素満載のアクションシーンでも、重みの部分は棄損していない。
個人的にはもうちょっとアクションシーンを見たかったが、アクションがメインの映画ではないので、これぐらいの含有量が適当なのかもしれない。
はっきりいうと、他人に勧めたくなる、とか、はちゃめちゃに面白い映画、という感じではない。
ただ、何も選択しないでポンと観た、という状況の中では、かなり幸運な引きだったとは思う。
ウェルメイドな作品であると思うし、観て損はない。