特に観たい映画がない、という状況が続いており、いつものように仕事終わりに1番観やすい映画を問答無用で見ることにする。
そんな経緯で観に行ったのが、「金の国 水の国」で、チケットを買うまでその作品のことすら認識していなかった。
最近アニメばかり見ている気がするが、いつも行っているところがアニメに力を入れている劇場で、かなりマイナーな作品も上映されている。
今回のような選び方が続くようであれば、今後もアニメを見る機会は多いだろう。
言うなれば消極的に観にいった映画ではあるが、結果的には相当面白かった。
有体に言えばロミオとジュリエット的なオールドスクールなラブストーリーであるが、対立から和解に至るまでの過程が自分的にはかなりフレッシュで、惹き込まれる。
話自体はファンタジックであるが、ディテールがかなりしっかりしている。
中東をベースにした世界観、政治を織り込んだ物語、現状に対するいろんな人の思いが折り重なって物語がドライブしていく。
そのディテールに寄りすぎずに、あくまでラブストーリーを盛り上げるための要素となっていて、そのバランスがとても良い。
『金の国水の国』 岩本ナオ | 「月刊flowers」公式サイト|小学館
映画を観終わった後、原作の1話を試し読みしてみたのだが、映画はかなり巧みにアレンジされていることがわかる。
漫画の1話は、2人が出会って疑似夫妻を演じるまでが描かれているのだが、映画を観た後で見るとかなりダイジェスト感がある。
逆に映画はその部分が丹念に描かれていて、2人のエモーションの部分が無理なく理解できるようになっている。
本当に脚本が良いのだろう。
ただ正直、主役2人に当てられた声がズルムケの役者仕事で、少し違和感を感じる。
映画を観終わった後で知ったのだが、賀来賢人と浜辺美波とのことで、役者としての実力は折り紙付きであるが、声優となると不足を感じてしまう。
つくづく、いい役者がいい声優ではないのだな、ということを感じてしまう。
繰り返しになるが、非常に良い映画であった。
それにしてはあまり話題になっていない気もするのだが、席はそこそこ埋まっていたし、自分の観測範囲内で話題になっていないだけなんだろうと思う。